君と過ごした3カ月
□第4週
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「文次?口うるさいし細かいし無愛想だし、あれはモテないね!」
「うるせーよ!お前だってモテてたらあんな同居してないだろうが。」
早朝、今日の送り当番は僕とタカ丸さん。
途中で朝練をしている潮江先輩に会った。
潮江先輩と名無しさんちゃん2人の会話を聞くのは初めてだったけど、仲が良いことは分かる。
「そういや電卓は重宝するかと思ったら、あいつら漢数字しか知らなかったわ…」
「ああ、そうか。
文次、現世ボケだね。」
「うるせーよ!」
潮江先輩が軽く手刀を振り下ろし、ふざけ合っている姿を見て胸が痛む。
恋仲とも仲間とも違う雰囲気。
友達…いや、もっと深い物にも感じる。
潮江先輩なのに…いつもお世話になっている先輩なのに…
僕の時間を邪魔するな
なんて、黒い感情が渦巻く。
こんな汚い僕は嫌いだ。
「三木ちゃん、顔怖いよ!
ま、あの老け顔邪魔だよね。僕も、早く朝練戻れギンギン野郎って思ってるよ。」
「た、タカ丸さん!?ぼ、僕はそんなこと!」
ないとは言い切れない…
口を濁す僕にタカ丸さんは笑って言った。
「でもね、強みがあるのは僕らだよ。」
それは黒い笑みだった。