君と過ごした3カ月

□第4週
4ページ/4ページ


今の雰囲気なら言える!


「名無しさんちゃん、電卓使ってます。作業効率も向上しました。
だけど、僕のだけ迷って苦し紛れだったでしょう?」


初めての憎まれ口。


「あはは〜、バレたか!
タカ丸とタッキーはアニメからも好み分かるけど三木ちゃん優等生だからね。
綾ちゃんは私の自己満だけど、あれは悩んだ。」

「でも、田村よく電卓使ってんだろ?」


ユリ子とサチ子と並ぶ、愛用機となった電卓。


「名無しさんちゃんが僕のために選んでくれた物ですから。」

「良かった!不必要ならどうしようかと思って…
あ、三木ちゃんの好み教えてよ。」


5年生がいて、6年生がいて、間に挟まれた僕達の思い出は淡いものだと思っていた。


「でも、好き嫌いとか無いですから…あ、今欲しい物は名無しさんちゃんの鞄に結んである風呂敷です。」


「え?普通の100均の赤いバンダナだよ?」


「滝夜叉丸ほど華美ではない清純派アイドルの僕には、こういうのが髪飾りに似合うでしょ?」


新たに刻まれる思い出。


「何か吹っ切れたね、三木ちゃん。
そんな三木ちゃんにはバンダナでリボン結びだ!」

「名無しさんちゃん!三木ちゃんの本領発揮はまだまだだよ!」

「そんくらい堂々してた方が田村っぽいな。」



赤いリボンは思い出の証。

淡ければ、もっともっと濃く重ねれば良いんだ。


「ありがとうございます。
名無しさんちゃん、僕、名無しさんちゃんが大好きですよ。」




思い出よ、 消えないで
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ