君と過ごした3カ月
□第4週
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今の雰囲気なら言える!
「名無しさんちゃん、電卓使ってます。作業効率も向上しました。
だけど、僕のだけ迷って苦し紛れだったでしょう?」
初めての憎まれ口。
「あはは〜、バレたか!
タカ丸とタッキーはアニメからも好み分かるけど三木ちゃん優等生だからね。
綾ちゃんは私の自己満だけど、あれは悩んだ。」
「でも、田村よく電卓使ってんだろ?」
ユリ子とサチ子と並ぶ、愛用機となった電卓。
「名無しさんちゃんが僕のために選んでくれた物ですから。」
「良かった!不必要ならどうしようかと思って…
あ、三木ちゃんの好み教えてよ。」
5年生がいて、6年生がいて、間に挟まれた僕達の思い出は淡いものだと思っていた。
「でも、好き嫌いとか無いですから…あ、今欲しい物は名無しさんちゃんの鞄に結んである風呂敷です。」
「え?普通の100均の赤いバンダナだよ?」
「滝夜叉丸ほど華美ではない清純派アイドルの僕には、こういうのが髪飾りに似合うでしょ?」
新たに刻まれる思い出。
「何か吹っ切れたね、三木ちゃん。
そんな三木ちゃんにはバンダナでリボン結びだ!」
「名無しさんちゃん!三木ちゃんの本領発揮はまだまだだよ!」
「そんくらい堂々してた方が田村っぽいな。」
赤いリボンは思い出の証。
淡ければ、もっともっと濃く重ねれば良いんだ。
「ありがとうございます。
名無しさんちゃん、僕、名無しさんちゃんが大好きですよ。」
思い出よ、 消えないで