SS

□大好きな昼休み
1ページ/2ページ



明日はいよいよ待ちに待った修学旅行。
もちろん私の大好きな保健医の高杉先生も行くわけで私は異常なほどにも浮かれていた。




昼休みいつもの様に保健室に遊びに行く。




『高杉せんせーっ』
ガラッと勢いよくドアを開けた。




高杉先生は冷ややかな視線で此方を眺めている。


「また、テメェか。ここはテメェみてーな元気なヤツは来るとこじゃねーぞ」



『何言ってるんですか?私は心に大きな爆弾抱えていてそれで優しくケアしないと…って聞いてないし!
てゆうか、先生怖がって保健室に生徒が、誰も来ないじゃないですかァ!?この給料どろb……


『ううか…』


高杉先生の手が私の頬を摘まむ。


「減らず口きくんじゃねェ。舌抜いてやろうか?」



『いったいッス!マジで痛いです!…この暴力教師』


「アア?なんか言ったかァ?…んで、今日はなんの用だ。小豆」


めったに生徒の名前も覚えない先生は私の事名前で呼ぶ。しかも名字じゃなくて名前で。
なんだか特別な存在みたいじゃない?
思わず顔の筋肉が上に上がり、勝手に顔が綻む。




『お弁当食べようかと思って』

「だからなァ、ここは食堂じゃねェんだ」


『いいじゃない。減るもんじゃないし。ここは暖房も効いてるし、しかも先生のお手製コーヒーも頂けるからね!天国だわ。あはは』


「あはは。じゃねェよ。馬鹿」
高杉の眉間に皺が寄る。



「めんどくせェな」


先生はなんだかんだ文句をいいながらコーヒーを作ってくれた。
先生は見た目は怖いし口も悪いけど本当はいい人。




「俺のコーヒーは高いからな」
ぶっきらぼうにコーヒーを私に差し出す。




そんな先生が大好きだ。




先生は、いつもマイポットとマイコーヒーを持参していて、自分でブレンドした豆でコーヒーを作り持参のマグカップにコーヒーを注ぎ口に運んだ。
 





先生は男なのに、指が細くて程好くゴツゴツしていて、とてもきれいな手をしている。
くっきりと浮かび上がった鎖骨に肌蹴た白衣がとてもセクシーだ。





男らしい外見とは反面可愛らしい物が好きなようで、先生のマイマグカップは黒猫の某アニメキャラのマグカップを使っている。



もう、そんなところとか
全部が大好きで…




『先生、今日もコンビニ弁当?』


「独り身なんだし、作るのめんどくせェーんだ。しょうがねェだろ」


『あたし作ろうか?お弁当!!』


「毎朝遅刻してくる小豆が弁当なんざ作れるのかァ?俺の弁当のせいで遅刻したとかぬかすんじゃねェぞ」


『わかってますよーだ。
それから……「『 米だ 』」


二人の声が見事にハモった。


「ククク…わってるじゃねェーか」


高杉先生は低い声で喉を鳴らして笑った。






普段、全てに対して反抗的でブスッとしてる顔の先生が笑うととても可愛いい。





……絶対、美味しいお弁当を作って見返してやるんだから。




キンコンカンコン…
授業のチャイムが鳴る。




『ヤバいっ!次、銀八の授業だ!それじゃあ、先生じゃーね!
……あ、あと修学旅行よろしく!』
小豆は慌ただしく保健室を後にした。






「面白れヤツだ。……ククク」


高杉はタバコの煙りを吐き出し、小さく笑った。











.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ