toa

□今宵、月が見えずとも
4ページ/9ページ


「変わらないな…」

そう呟き、辺りを見渡す。

「やはり…いないか」

淡い期待をしてた自分を嘲笑う。

自分には彼女を導くために歌える歌は無い。
かといって、いつでも優しく包み込んであげれる心、笑顔、言葉も無い。

自分には何も無い。

何より無力なのは自分なのだ。


気が付けば空には紅が広がっていた。

彼女の髪のような…。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ