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□カルマの坂
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俺は夕暮れを待って剣を盗んだ。

俺の体には不釣り合いな少し重たい剣。

それを引きずる姿は、風の様には悲しすぎるだろう。

目的地の屋敷を睨み上げ

カルマの坂を上った…。

「…待ってろよ」

誰に向けたのか、何に言ったのか。

それすらもわからない言葉は風に紛れた。

俺は、ただ坂を駆け上がる。
…口元に弧を浮かべて


屋敷に忍び込み、向かってくる大人達をひたすら斬った。
もちろん、剣なんて使ったことがない。

だが、それは己の体の様に自由に動いた。

まるで怒りと憎しみが具現化したかのように…。




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