Promise YOU
□Promise You Y
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何だ…、これは…
―この薬を投与してみようか
―いや、これの方が…
―なら、両方試せばいい
いやだ…やめろ…っ!!!やめてっ!!
「いやぁぁぁっ!!!!」
「マリーさん!!!」
「来るなっ!!」
手術室に入ったアレルヤだったが、突然マリーの悲痛な叫びが響き、駆け付けようとしたときだった。
彼女の近くに仕舞い忘れのメスがあり、それをアレルヤ目掛けて投げ付けた。
「うわっ!!」
何とか避けたが、頬を少し掠めたらしい。鈍い痛みが顔に走る。
…錯乱するってこういうことか。
先程、セルゲイに言われたことを思い出し、再びマリーに歩み寄る。
本来なら、麻酔をうって落ち着かせるのだが、今の彼女にそれは酷すぎるし、トラウマに成り兼ねない。
いや、もう成ってるかもしれない。普通の医師なら躊躇いもせずに容易に麻酔を使うからだ。
「いや…、来ないでっ!!」
「…大丈夫だよ」
自分を拒絶する彼女をそっと抱きしめた。
「…ごめんね、怖かったよね」
「……先生?」
「うん…」
「私…っ!!」
「大丈夫だよ、何ともない」
「違っ…!!さっき…」
伏せていた顔を上げてアレルヤの頬に触れた。
「…ごめんなさいっ!!私…私…っ!!」
「何も考えないで、ねっ?」
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