Promise YOU

□Promise YOU ]
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―コンコン、

「はい」

いつものノックにいつもの返事。
しかし、アレルヤにはそれがだいぶ久々に感じたのだ。

「久しぶり…かな?」
「そうかしら?」

病室の扉を開けて中を伺うアレルヤに問い掛ける。

「昨日会わなかっただけじゃないの」
「そういえばそうだね…」

苦笑しながら、アレルヤはマリーのベッドの隣の椅子に腰を下ろした。

「…すごく疲れてるみたいね」
「そう見える…?」
「えぇ、」

無理はしないでね、と心配するマリーに大丈夫と微笑み返す。
ふぅ、と一息置いてアレルヤは手に持っていたカルテに目を通し、口を開く。

「…えーっと、とりあえず目の方はどう?」
「だいぶ慣れてきました…、けど、まだちょっと怖いかな、」
「そっか…、」

いきなりじゃ大変だもんね、と苦笑するアレルヤに、はっとしてマリーは付け足す。

「あっ、早く慣れるようにしますね…」

そして、心配かけないようにと精一杯笑ってみせた。

「いいよ、ゆっくりで」
「うんん、早く見えるようになりたいもの!!」

マリーは見えるようになったといってもその世界は白と黒しか無いモノクロな世界で。
見えたことによって、鮮やかに明るく色づいた世界はどのように見えるのか、という好奇心があるのだろう。




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