Promise YOU

□Promise YOU ]T
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―僕はどうしたいのだろうか?

まるで自分を責めるかのように押し寄せて来る感情。

三日前、手術の終わった彼女に会ってから生まれてしまった感情。
どうしたらいいかわからずに屋上に来てみたものの、答えが見つかるわけではなかった。

「…はぁ、」

自分の中に生まれてしまった感情に思わず溜息が零れる。

「…どうしたの?」
「ひゃっ?!!」

急に頬に触れた冷たい感触にアレルヤは小さく悲鳴をあげた。

「…ス、スメラギさんか、」

驚かさないで下さい、と言えば悪びれたようすもなく謝る彼女。そして、手に持っていたジュースを受け取る。

「…何、悩んでるの?」
「いや、別に…」
「…マリーの事?」

くす、と笑いながらアレルヤを見るスメラギ。

「…アレルヤはどうしたいの?」
「えっ?」
「…マリーの事よ」
「…それは、」

―治してあげたいし、記憶も戻してあげたい。

そう言ってしまえばどれだけ楽だろうか。

「…僕は、」

言いたいことはわかっているのに、その先が紡げない。

「…わかっているんでしょ?」
「…そのつもりです」

何に対して聞かれたかはわからなかったが、何と無くわかったような気がした。

「医者は感情を殺せ、て言うけど、私はあってもいいと思うわ」
「…スメラギさん?」
「…うんん、」

頑張って、と言ってスメラギは開きっぱなしのドアを通って院内に戻って行った。




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