Promise YOU
□Promise YOU ]II
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―コンコン
「…はい」
白いドアをノックする音と、それに答える声。
だいぶ慣れたこのやりとりにも終わりが近づいていた。
「…こんにちは」
「こんにちは、先生」
控え目に笑ったアレルヤに対して綺麗に笑うマリー。
「…この前は、ごめんね、」
「あっ、いえ…。私の方こそ…、」
この前とは屋上で会った時の事だろう。
その時の事を思い出したのか、二人は赤面する。
「あっ、そうだ、」
話題転換をするようにアレルヤは持っていたカルテをペラペラとめくった。
「…手術は2週間後でいいかな?」
「構いませんよ」
もう少し早くても構いませんが、とマリーは笑うが、これ以上早めてしまうと自分が大変になってしまうのだ。
「…2週間か、」
ポツリとマリーが呟く。
「マリー?」
暗い表情をする彼女が気になって声をかけて見れば、何でもない、と言って首を降るだけで。
「手術が終わってもリハビリとかも含めて、もう1週間くらいは病院で過ごすことになると思うよ」
「そうですか」
そう付け足せば、暗く曇った表情が一気に明るくなる。
「じゃぁ、今日はこの辺で」
「はい、」
じゃあね、と手を振って去っていくアレルヤにマリーは笑顔で手を振り返す。
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