Promise YOU
□Promise YOU ]V
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「…マリー、歩ける?」
「うん、」
笑顔で返事をしてマリーはベッドから立ち上がった。
今日はとうとう手術の日。
この2週間、二人は今までの事を確認し合うかのように、出会ってからの事を話していた。
そう遠くない…むしろ、1番新しい記憶達なのに、すごく懐かしい気がして。
そんな時間は今までより足早に過ぎてしまい、とうとう手術当日がやってきたのだ。
「…ねぇ、先生」
「何?」
少し俯きながら呟いたマリーに問い掛ける。
「…手、繋いでもらっても…いいですか?」
「…えっ?」
いきなりの発言にアレルヤは固まってしまう。
「あっ、迷惑でしたら、その…、」
「い、いや…、」
そんなことないよ、と笑って自分より小さい白く綺麗な手をとる。
「…私、怖いんです」
「…何が?」
エレベーターに乗り込んで、しばらくしてマリーが口を開いた。
「…もし、記憶の中に…、先生がいなかったら、って思うと、」
そう言って、彼女は小さな肩を震わせた。
「…マリー、」
「…ごめんなさい、変な事言って、」
「いや、そんなことないっ!!」
僕も同じだから、と言えばマリーは驚いたようにこちらを向く。
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