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□カルマの坂
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ある時代、ある場所
乱れた世の片隅。
緋色の髪と翡翠の瞳を持ち合わせた少年がいた。

少年は生きるために
盗みを覚えていった。

醜く太った大人達には
けして追いつけない風の様に
己の空腹を満たすのが先で
是も非も考えず、ただ街を駆け抜けていた。

美しく穢を知らない心は
生きるためにただ罪を重ねる

天国でも…ましてや地獄でも
ここよりマシなら喜んで行くだろう。

『人は皆、平等』

少年はその言葉を信じれはしなかった。


《出典:カルマの坂・序章》




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