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□どんなものでも…
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事の始まりはアニスのこの一言だった。

「もうすぐバレンタインだねぇ」
「そうですわね」
「バレンタイン…」
「ティアはどなたかに差し上げますの?」
「えっ?」

突然、話題をふられて困っているとニヤついた顔でアニスが口を開く。

「ティアはルークでしょ?!!」
「まぁ、そうでしたの?」
「な、なんでルークが出てくるのよ!!」
「照れなくてもいいのにぃ」
「俺がどうかしたか?」
「ルークっ!!?」

突然、後から現れたため必要以上に驚いてしまった。

「何だよ!?何かあったのか?」
「な、なんでもないわっ!!」

そう言ってティアは部屋から出た。

「俺…またなんかした?」
「さぁねぇ〜」

部屋には困った顔のルークと、ニヤついたアニスとナタリアが残された。


「バレンタイン…」
「バレンタインがどうかしたんですか?」
「た、大佐っ!!!」

独り言のつもりだったが、ジェイドによって、それは独り言ではなくなった。

「いやぁ、皆さん世界の危機だというのに浮かれてますねぇ」
「そうですね…」
「ティアはバレンタイン、参加するんですか?」
「えーっと…」
「…まさか、ノープランとか?」

うっ、とバツの悪い顔をすると、図星ですね、と笑われた。

「まぁ、時間はありますし…といっても明後日ですが頑張ってくださいね」
「はぁ…」
「ルークのためにね」
「…何でルークが出てくるんですか?」
「秘密です☆」

そう言って、ジェイドは人差し指を口に宛て、応援してますよ、と去って行った。




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