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□君がいるだけで
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「すみませんね、ルーク」
「別にいいよ…、」

溜息混じりに謝って来るジェイドにルークは苦笑しつつ返した。





















事の発端は数時間前。
たまの休日でしかも二人の時間が合ったためにジェイドとルークは絶賛デート中だったのだ。
そして、その至福の時間真っ只中にジェイドは軍から呼出しをくらい、今に至るのだ。

「まったく…、一生捕まって、ついでにくたばって下されば、私の心労も減るというものなんですがね…」
「まぁまぁ、一応王様何だからさ、」
「ルークは優しいんですね」

そう言って、何度目かわからない溜息をつくジェイド。

今回の事件は、ピオニー陛下の誘拐。
いくら、世界が平和になったからといって犯罪は減るわけではなくて、こういう事件も後を絶たないのだ。

「奪還したら八つ裂きの刑ですねv」
「ちょ、それはヤバいんじゃ…、」
「何を言ってるんですか!!?私とルークのラブラブタイムを邪魔した罪は重いんですよ?!」
「………。」

昔では考えられない発言を堂々とする死霊使いに、呆れて帰す言葉がない。

(たしかに、邪魔されたのはやだけど…、)

でも、ジェイドと一緒にいれるからいいや、

と一人微笑むルーク。

「ルーク?」
「うんん、何でもないよ」

緩む表情をぺちぺちと叩いて引き締める。




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