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□最愛のヒト
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『…好き』
最期の瞬間、自分の鼓膜に響いた言葉。
今、キミは何をしてるの?
笑ってるの?
怒ってるの?
泣いてるの?
…やめて、そんな顔はもう見せないで。
最愛のヒト
「…呼ばれた?」
体が乖離してしまってから一年。
解放されたローレライのもとにルークはいた。
「…どうした?」
「…今、呼ばれた気がしたんだ、」
「…やっと気づいたのか?」
「え…っ?」
何の事だ、と聞いてみてもローレライは溜息を吐き出すだけで。
「自分で確かめて来るのだな」
「…だから、何の…って、ちょっ!!」
いきなり消えはじめる自分の体。
「タイムリミットは12時間」
困惑するルークをよそに、この上ない笑顔でローレライはルークに告げた。
「楽しんできたまえ」
「…何なんだよーっ!!」
ルークの体は光りとなり、叫びは虚しくエコーするだけだった。
「…さぁて、見物でもしようかな?」
そう言ってローレライは鼻歌なんて歌いながら、飛ばされた…というか飛ばしたルークの行動を見るため、足元に池のようなものを作り出した。
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