gundamOO

□スレチガイ
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スミルノフ大佐が死んだ。

その事にマリーは心を傷めた。

僕がハレルヤを失ったときのように…。

「マリー…」

僕は彼女の名前を呼んだ。

「その名で呼ぶな」

返事をしたのは彼女であって彼女じゃなかった。
その声に優しさはなく、酷く冷たい声だった。


『スレチガイ』



「どうしたらいいんだ…ハレルヤ…」


今は亡き、もう一人の自分に話し掛ける。

スミルノフ大佐が亡くなってから少しの時が流れた。
マリーはいまだに殻に篭ったきりで出てくる様子はない。
今、存在するのはソーマ・ピーリス。
彼女であって彼女ではない存在…。

そんな事をぐるぐると考えながら、アレルヤはベッドに倒れ込んだ。
すると、疲れのせいか、どっと眠気に襲われる。

自分だって、嫌な事があればもう一人に押し付けて来た。

だからソーマを責めることなんて出来ないし、一番辛いのはソーマなはず。

アレルヤは何も出来ない自分に苛立ちながらも意識を手放した。


…なぁ、アレルヤ。

…お前は気付いてねぇけど、

…俺はまだ生きてるんだぜ?





「…いい加減気付けよ」

そう言ってアレルヤ…ではなくハレルヤが体を起こす。
何故、表に出れなくなったかはわからないし、今表に出られたかもわからない。
しかし、ハレルヤにそんな事は関係なかった。

「しっかり寝とけよ…アレルヤ」

自分の半身には聞こえないだろうが、話し掛ける。
そして、ハレルヤは部屋を出た。




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