gundamOO
□ラフ・メイカー
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何故か知らないけど無償に泣きたくなった。
俺らしくねぇ、っつたらそうだけど、俺だって泣きたい時はあるんだ。
気がついたら涙で部屋が濡れていた。
慌てて顔を上げたら耳にノックが転がり込んで来た。
今は人に会えるような顔じゃねぇし、会いてぇ気分でもねぇ。
でも、ノックが止む気配はない。
仕方ないから俺は玄関に行った。
「誰だよ」
「えーっと、名乗るほどでも無いんですが、誰かが僕をラフ・メイカーと呼びますよ。」
「……」
「あなたに笑顔を届けに来ました!!寒いんで、入れてもらえませんか?」
ラフ・メイカー?
冗談じゃねぇぞ!
そんなモン呼んだ覚えはねぇ。
何勝手に人様ん家前にいんだよ!!!
構わず消えてくれよ…そこに居られたら泣けねぇだろ…。
大洪水の部屋に再びノックの音が飛び込んだ。
あの野郎まだ居やがったのか。
消えてくれって言ったろう。
めんどくせぇけど俺は口を開く。
「うぜぇんだけど、いい加減消えてくんねぇか?」
するとアイツからはとんでもねぇ答えが返って来た。
「そんな言葉を言われたの、生まれてから初めてだよ…。」
なんか、すごく悲しくなってきちゃったや…ものすごく泣きたい気分なんだ、とアイツは付け足した。
ラフ・メイカー?
冗談じゃねぇ!
テメェが泣いてちゃ仕様がないだろっ!!
泣きたいのは俺の方なんだよ…。
テメェなんざ呼んだ覚えねぇんだよっ…!!!
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