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□Bitter Love
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「馬鹿だなぁ、あたしは…、」
はぁ、と溜息をつきながらしいなは窓の外を見つめた。
昼夜問わず雪の降るフラノールでは恋人達の姿がよく映える。
彼女の見つめる先に写るのは、彼女の想い人。
けど、それは儚くも悲しく散っていった。
Bitter Love
「しいな、いるか?」
ノックと一緒にゼロスの声が響く。
「いないよ…、」
気分的にいなくなってしまいたかったから、そう言ってみたりした。
「…いんじゃねぇかよ、」
入るぞ、と言ってゼロスはドアを開いた。
「いないって言ったじゃないかい…」
「いないって、お前さ…」
「ほっといておくれ…」
今は人に会いたい気分じゃないんだ、と付け加え溜息を吐く。
「…失恋でもしたのか?」
「いわないでよ…」
元からわかっていたことで、あわよくば何て考えていた自分がバカらしく思えてくる。
「あたし、馬鹿だよね…」
「ホントだよ、」
さっさと殺しちまえばよかったのによ、と皮肉そうにゼロスは呟く。
「ゼロス…?」
「シルヴァラントの神子の暗殺がお前の仕事だったんだろ?」
「それは…、」
気まずそうに俯くしいなにゼロスはお構いなしに続ける。
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