tos(R)

□perverse my Heart
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「エミル〜!!大好きぃ!!!」

そう言ってマルタはいつも通りエミルに飛びついていて、そのエミルはまんざらでも無いようで。

「ロイド、ありがと」

コレットは転びそうになったところをロイドに助けられ、お礼を言われたロイドは何やら嬉しそうで。

(…あたしも素直だったらな、)

そんなことを考えながら、しいなは溜息を零した。














perverse my Heart






「…はぁーあ、」
「…何悩んでんの?」

急に耳元で囁かれ、しいなはビクリと肩を震わす。

「…ちょ、あんたいたのかいっ!!」
「いちゃ悪いかよ〜」

しいなちゃん冷た〜い、と言ってふて腐れるゼロス。

「どーせ、冷たいですよ!!」

そう言って、ぷいっと横を向いてやる。

「もぉー、そんなに怒んないでよ〜」
「別に、怒ってなんか…」

冗談混じりに言うゼロスに対し、半ば本気のしいな。

(…あっ、)

また、やってしまった。

マルタのように好きという言葉がすぐには出ないし、コレットのように素直にありがとうとは言え無い。

素直じゃない自分の性格をこんなにまで妬ましく思ったことはあるだろうか。

「しいな?」

いつものような勢いが無いしいなを不思議に思い、問い掛けてみる。

「なんか悪いもんでも食ったか?」
「…あんたの料理」
「ひどっ!!」

思いの外しょげているゼロスに対して少し申し訳ない感じが生まれる。

「まぁ、冗談は置いといて、…ホントになんかあったのか?」
「…なんもないよ、」

勝手に悩んでいるだけ、と言うと何故かゼロスが溜息を零した。




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