tos(R)
□ちゃんと君と向き合いたいから
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(…遅いなぁ、)
今日は久々にゼロスと会うということで、しいなは今ワイルダー家にお邪魔しているのだ。
しかし、待ち合わせの時間を2時間ほど過ぎても彼は来ない。
空にはオレンジと紺のグラデーションが浮かび上がり始めており、しいなは日頃の疲れから知らないうちに瞳を閉じていた。
ちゃんと君と
向き合いたいから
「…はぁ、」
やっと終わった…、と思いゼロスは公園のベンチに腰を下ろした。
空を見上げるともう太陽が沈みかかっていた。
「…やばっ!!」
ゼロスは急いでベンチから立ち上がり、自分の家で待っているであろう彼女のために走り出した。
「…ゼロス様、お帰りなさいませ」
玄関で悠長にお辞儀をする執事にゼロスは問い掛ける。
「しいなはっ!!?」
「ゼロス様のお部屋に通してあります。
…お顔の方はどうされましたか?」
執事が尋ねるもゼロスは一目散に自室に駆け出し、執事の質問など聞いていなかった。
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