tos(R)
□キミと一緒なら
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エミル達一行はフラノールに来ていた。
「…ゼロス?」
皆より少し後ろを歩くゼロスが気になり、しいなは声をかけた。
近くに駆け寄ると彼の体はフラリと傾き、そのまましいなにもたれ掛かった。
キミと一緒なら
「あれ…、俺は…」
「…大丈夫かい?」
少し怠くて熱い体を起こすゼロス。
「しいな…?」
「そうだよ…、ったく、」
無理すんじゃないよ、と言ってゼロスの額に搾りたての冷たいタオルを乗せる。
「…皆は?」
「目的地に行ったよ」
「…しいなは行かないのか?」
「…行ける訳無いだろ?」
そう言ってゼロスの頬を冷やすように自分の手を置く。
「あたしが看てやんなくて誰が看てやるんだい?」
「…別によかったのに、」
ガキじゃねぇんだからよ、とゼロスが呟くとしいなはクスリと笑った。
「…何だよ」
「いや、別に、」
いつもは自分がからかう方なのに、今日はいつもと逆で。
何かしてやろうと思うが、熱を持った頭ではそんなことは思い浮かばない。
というか、考えるほど頭が痛くなる。
はぁ、とゼロスは溜息をついて窓の外を見つめた。
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