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□二人の甘い秘密の時間
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「ご機嫌だな」
「…当たり前だろ」
自分の手を握るラタトスクにあえてリヒターはそう声をかけた。
「…ふっ、」
「な、何だよ」
いきなり笑ったリヒターにを不気味に思い、問うてみた。
「…なんでもない、」
そう言って、はぐらかされる。
二人はそんなやり取りをしながらギンヌンガ・ガップの見回りをしていた。
二人の甘い秘密の時間
「そろそろ休むか、」
そう言ってリヒターは木の影に腰を下ろした。
「座らないのか?」
自分の手を握ったまま、立っているラタトスクに問い掛ける。
「手ぇ、離さねぇと座れねぇだろ」
「…そうか、」
ニヤリと口許に弧を描いて、リヒターはラタトスクを自分の腕の中に引っ張った。
「…なっ、何すんだよ!!」
「…いいだろ?別に」
普段、出来ないんだから、と微笑んでやればラタトスクは黙ってしまう。
別に、最深部でこのようなことをしてもいいのだが、姑のようなテネブラエと元カノのようなアクアによって邪魔されている。
付き合う前は"じゃれあい"と認識していたらしいが、付き合ったと知ってからは必要以上に阻止して来るのだ。
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