tos(R)

□Sweetest Twilight
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今日は一年に一度の大切な日…なんて歌ったのはどこのどいつだろうか?
ぶっちゃけて言えば、2月14日はバレンタイン伯爵の命日であり、決して異性にお菓子をあげる日ではない。

しかし、わかっているのにそのお菓子会社の策略にはまっている自分が憎かった。








Sweetest Twilight














「はぁ、」

廊下を歩きながらしいなは溜息を吐いた。
昨日のために昨日の遅くまでかかってお菓子を作ったのだが、最後の最後に分離してしまい、少々かわいそうな仕上がりになってしまったのだ。
しかし、既製品を買うのは何か嫌だし、隠蔽するのも釈に触る。
別に渡さなくても死なないし、自分で消費してしまってもいいのだが、ここまで来たら渡したいというものだ。

「よし、」

意気込んでゼロスのいる教室の前に立った時だった。

「ゼロス様、これどうぞ!!」
「わたしのももらってください!!」

ふと、ドアの小窓から見えたのはそんな風景で、ゼロスはと言えばにやにやしながらそれらの対応をしていた。

「………」

その光景を見て、しいなは小さく溜息を零す。

やっぱり、やめよう。

そう思い、踵を返そうとした瞬間にゼロスと目が合う。
しかし、それもなかったことのようにその場から駆け出した。

「…ごめん」

一方、ゼロスは駆け出したしいなを追いかけるため、もらったお菓子をすべて持ち主に返す。
その様子を女子達は驚いたように見ていたが、ゼロスにはそんなこと関係なかった。






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