Promise YOU

□Promise YOU V
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「はい、どうぞ」
「ありがとう」

そう言ってコーヒーを啜りながらクッキーをつまむティエリア。

「…そのクッキーどうしたの?」
「あぁ、僕の担当の患者…の友達がくれた」
「ティエリアって、ホント女の子に持てるよねぇ」
「…いや、くれたのは男だ」
「あっ、ドンマイ」

そんな話をしながらお菓子とコーヒーを楽しんだ。

「あぁ…美味しかった」
「そうだな」
「なんて人がくれたの?」
「グラハムというらしい。
本当は刹那に渡してくれと言われたが、いなかったからいただくことにした」
「い、いいの?」
「たぶん刹那は食べないと思うぞ」

何で?と聞くとティエリアは院内の中にある伝説(珍事件)ストーカー男について話し始めた。


「…その被害者って刹那だったんだ」
「あぁ。グラハムの顔を見ただけでメス投げ付けるからな」
「笑えないよ、それ…」

トラウマらしいぞ、とティエリアはつけたす。
苦笑するアレルヤを見てその下の紙に目をやった。

「アレルヤ、これは?」

そう言ってアレルヤの近くにあった紙を指差す。

「あぁ、報告書。マリーの様態を随時報告だって」
「実験みたいだな」
「ホント、世の中歪んでるよ…」
「その歪んだ世界から患者を救うのが僕らの仕事だろ?」
「そうだね」

頑張らなきゃ、と力無く笑ってアレルヤは紙にペンを走らせた。

「書けたか?」
「うん」
「あんまり気張るなよ」

了解、と微笑んでアレルヤは部屋を出た。




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