Promise YOU

□Promise YOU V
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「マリー…」

気張るな、と言われても気張ってしまうに決まっている。
自分が医者になるきっかけを与えてくれた…ましてや、約束をした少女かもしれない人間を目の前にして普通にしていられるか。
本当なら再開を喜びたいのに、相手に記憶がないのではどうしようもない。
それに、無理に刺激して心に負担をかけさせるなんて出来るはずがない。

「どうしたらいいんだろう…」

今日一日あったことを思い出しながら報告書を置きに行こうとして廊下を歩いていた時だった。

「何がだ?」
「マ、マリー…さん」

突然後ろから声をかけられ、驚く。

「いちいち驚くな」
「ご、ごめん。…どこか行くの?」
「貴方には関係ない」
「関係ない、て…一応主治医だし」
「プライベートにまで関わる必要はないだろ?」
「そうだけどさ…」

言い返す言葉がなく、詰まったときだった。

―ぐぅぅぅ…

「マリーさん?…もしかして」
「う、うるさい!!!」

お腹を押さえながら俯くマリー。
髪の合間から見えた頬は少し赤くなっていた。

「もしよかったら、一緒にご飯食べない?」
「はっ?」
「僕この後は特に用事ないからさ…奢るよ?」

そう言って少し強引だが、マリーの手を取る。
諦めたのか、空腹には勝てないのか、仕方ないな、と小さな溜息を零した。
その反応を見たアレルヤはとても嬉しそうに歩いて行った。





―報告書。
特に異常無し。
一緒に夕食を取りました。
どうやら、シチューが好きなようです。
あと、以後は報告書を書きません。
すべてが終わったらレポートにして提出させてください。

アレルヤ・ハプティズム


「よし」

ふぅ、と息を吐き、アレルヤは報告書を提出した。

…とにかく、やれるだけはやろう。



To Be Continued.
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