Promise YOU

□Promise You X
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「君は…彼女の手術をしてどう思った?」
「…酷いと思いました。
ホントに今まで手術をしていたんですか?あんなの…人体実験だ…。
あれじゃ、治るもんも治らないっ!!!」
「…君の言う通りだ」
「えっ…?」
「彼女のは、変わった病気でね…。医師達は面白がってな。新薬投与、無理な手術…その末がアレだ」
「……」
「それが発覚するたびに病院を変えていたが、どこも同じでな。逆に彼女に負担をかけてしまった…」
「…そう、だったんですか。
彼女の記憶障害は…」
「自己防衛のためだ。
傷つかないように、何も考えなくていいように…と」
「…何故、僕に話したんですか?」

そう尋ねると、セルゲイは少し笑って話しを再開した。

「最近、手紙が届いてな」
「手紙…ですか」
「あぁ、…変わり者の主治医がいる、ってな」
「僕の事ですか!!?」
「そうらしいな…。来る手紙にはいつも君の事ばかりでな。今までこんな事はなかったから…」
「そうですか」
「嬉しいのか?」
「…フクザツです」
「ははは、だろうな」

豪快に笑うセルゲイに苦笑しながらアレルヤは席を立つ。

「どこか行くのか?」
「マリーさんの所へ」
「…私の話しを聞いたからか?」
「いえ、手術後に患者に会うのは常識でしょう?」

違いますか、と微笑みながら言うとセルゲイは再び笑い出した。

「…君はホントに変わり者だな」
「そうですか?」
「あぁ…。素敵な医者だ」
「ありがとうございます。
今日は話しを聞かせてくれて感謝してます」
「いや、感謝してるのはこちらだ」
「えっ…?」

頭に疑問符を浮かべるアレルヤに優しく微笑む。
さて、と椅子から腰を上げた。

「彼女を頼んだよ」
「わかってます」
「…手術の後は錯乱することが多いらしいが…」
「大丈夫です」
「ははは、頼もしいな。…では、失礼するよ」
「はい、ありがとうございました」

軽く会釈をして帰るセルゲイを見送るとアレルヤは手術室を見つめた。

「マリー…」

小さく呟いて、自分の患者…マリー・パーファシーのいる手術室に足を踏み入れた。



To Be Continued.
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