Promise YOU
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「…わかった、また考えとくよ」
「ありがとうございます!!」
そう言って微笑んだマリーにどきんと心臓が跳ねる。
「じゃぁ、また後でね」
「はい、」
軽く会釈をしてアレルヤはマリーの病室をあとにした。
「早く、か…、」
マリーの目が完璧に見えるようになったら、後は退院するだけで、記憶の方は本人が望んでいるのだから戻せるようにカウンセリングでもつければいいだろう。
「…考えたこともなかった」
彼女に初めにあった時は嬉しくて堪らなかったし、そばにいてあげれるんだ、と思った。
しかし、彼女が自分の知ってるマリーとは限らない。
彼女のためにも早く鮮やかな世界を見せてあげたいし、記憶も取り戻してあげたい。
―でも、もし自分の知っている、
マリーではなかったら…?
―彼女を治せば、
会えなくなってしまうのではないか…?
今まで思いもしなかった感情がどっと押し寄せてきて、アレルヤを責め立てる。
「…僕は、」
マリーとずっと一緒にいたい。
しかし、そうすれば医者としての使命と彼女との約束を果たせない。
マリーの世界に色を取り戻したい。
そうすれば医者としての使命と彼女との約束は果たされる。
しかし、彼女のそばにいることは叶わなくなってしまう。
「こんなことなら…、」
出会わなければよかったかも、
ふと胸に過ぎった言葉にはっとするも、それは本心でもある。
アレルヤはただその矛盾を受け入れるしかなかった。
To Be Continued.