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□今宵、月が見えずとも
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くだらないと嘯いてきて
何もかもを知った顔して
何もできない自分隠して
本当を失した…
見えないものを見ようとすれば
まぶた閉じるそれだけでいい
君がここにいないとしても
今宵、月が見えずとも…
『今宵、月が見えずとも』
何もかも答えを知っているような顔を貴女に向けていた。
でも、答えは教えなかった。
そして貴女を苦しめた…。
自分の無力さを隠すために
強がって…
最後まで素直になれなくて…
なのに貴女は笑ってくれた。
私は貴女を失った。
瞳を閉じて貴女を思う。
でも、それだけじゃ満たされない…。
―貴女は今、どこにいるのですか…?
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