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□Marmaid Tear《中編》
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「ティア…まさか…」
「な、なに?」

目を丸くしつつ恐怖半分、ニヤケ半分でティアに問い掛ける。

「恋…しちゃった?」
「こ…い?池に泳いでる?」
「ちっがーうっ!!
それは鯉!アタシが言ってんのは恋!!!」

頭に疑問符を浮かべるティア。
あぁ、この姫様はこーゆー事に無縁だったと思い、ため息を零すアニス。

「恋ってのは、異性を好きになったときの気持ち」
「好きになる?」
「そう!!ティア、その人の事思うと胸がキュンとなったりとか、苦しくなったりする?」
「うん…」

少し経ってからのティアからの返答。

「わかったよ…。
どうしても会いたかったりしちゃう?」
「会えるのっ!?」

ガシッとアニスの肩を掴み揺さぶる。

「ちょ、落ち着いて〜!!」
「あっ、ごめんなさい…」
「本気なんだね…」
「そうみたい…」
「わかったよ…。ティアがこんなに夢中になることなんて、珍しいもんね」
「そうね…」
「じゃぁ、ついて来て!!」
「えっ!?」
「こーゆーのに詳しい知り合いがいるから!!!」
「えっ、えぇ…。でも、いいの?」
「何が?」

少しずつだが、ティアの表情が曇り始める。

「アニス、兄さんに怒られちゃうでしょ?」

はぁー、とため息をつきアニスが口を開く。

「はぁ、いつもの事でしょ?
それに、乗り掛かっちゃった舟だし…。総長にはうまく言っとくよ」
「アニス…。ありがと」
「いいよ、別に。…じゃぁ、行こっか!!!」
「えぇ!!」

ティアの返事を確認するとアニスは深海に向かって泳ぎ始めた。
ティアもそれに続いて泳ぎ始めた。




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