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□カルマの坂
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心臓を鷲掴みされたような苦しい感覚と、落ち着かない甘い感覚。

少女を見たとき、彼女は悲しい顔をして俯いていた。
そして瞳からは雫が流れ落ちていた。

故郷の事を思っていたのか…

自分を売った親を恨んでいるのか…

これから起こり得る事に不安を抱いているのか…

俺にはわからなかった。

―ただ、彼女を助けたい。

自分のエゴだという事はわかっている。
助けてどうする?
そんな事はどうでもいい。

ただあの少女の笑顔が見たかった。

…あの子の清らかな体に穢た手が触れていると

考えるだけで虫酸が走った。

…無力な俺は彼女を笑わせることは出来ず、思想も与えられない。

俺は空を睨み、ある決意をした…。




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