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□どんなものでも…
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2月14日。
とうとうこの日が来てしまった。
結局、何も用意できずに当日を迎えてしまった。
…正確には作ったのだが、うまくいかなかったの方が正しいのか。
「はい、アニスちゃんの愛がいーっぱいこもったチョコだよ☆」
アニスがメンバーにチョコを渡していく。
さんきゅ、とか、ありがとう、などと口々に礼を言う。
「男性陣、お返しは3倍返しで☆」
としっかり付け加えるのも忘れていなかった。
「あの…、うまくは出来ませんでしたけど、召し上がってくださいな」
そう言ってナタリアから差し出されたものは、かわいいラッピングが施された小包だった。
外見は可愛いが、袋の隙間から障気が染み出ていたことは誰も触れなかった。
――――――――
とりあえずチョコを配り終わり、集合時間まで自由行動になった。
部屋に戻って作り直そうとした時だった。
「なぁ、ティアはチョコ作ってねぇの?」
と、運悪くルークに捕まってしまった。
「えーっと…あるんだけど…」
「あるんだけど?」
「あ、後で渡すわ!!」
「あっ、オイ待てよ!!」
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