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□どんなものでも…
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慌ててドアを閉めようとしたが、ルークによって阻止されてしまった。

「ちょっと、放して!!」
「何か隠してんだろ!!」
「な、何も無いわよっ!!」
「俺には隠し事するなって言ったくせに!」
「……」

そう言われてしまえば、言い返せるわけがなく、黙るしかなかった。

「入っちゃダメか?」

ドアの反対側から聞こえた切なそうな声。

「…だって」
「何だ?」
「絶対ガッカリするもの」
「別にガッカリなんてしねぇよ。
…だから開けてくれないか?」

ルークの言葉を聞き、ドアノブを持つ手を緩めた。
ルークは自由に動くようになった扉を開ける。

「…し、失敗したのよ。
だから…作り直そうと思って」
「そうだったんだ」

そう言って失敗したチョコの方に歩み寄り、そしてそれを口に放り込んだ。

「ルークっ!!!」
「どこが失敗なんだよ?
…ちゃんとしてるし、美味いぜ」
「…ばか」

ニッコリと微笑まれ、顔を背けて皮肉をはく。
が、ルークはそれも気にしないで

「ティア」

と名前を呼んで、チョコをティアの口に押し込んだ。

「…!!?」
「なっ、美味いだろ?!」
「ばか…」
「ばかでいいよ」

そう言ってルークは扉の近くまで歩く。
そして、振り向き

「素敵なバレンタイン、ありがとな」

と、言って部屋を出て行った。

部屋に残されたティアは一人赤くなっていたとか…。



end.
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