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□三食(プラスおやつ)昼寝付き
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「…………はぁ」
取り戻したい、つってもな…。どうすりゃいいってんだ?
万事屋と別れてから、街でアイツの姿を一目すらも見てねぇ常態が続いてるってのに…。
…本当、キッパリ見掛けなくなったよな。何でだ?
っ…まさか、避けられてる?
本命を落とすのに元セフレ(おれ)って存在は邪魔でしかあり得ないから、とか!?
…ぅわ、凹む。
「副長?……大丈夫ですか?
最近なんだかボーッとしてる事が多いみたいだし、ため息もやたらと増えた様ですが…」
書類を持って来たついでに茶を入れた山崎が、俺の前にコトリと湯飲みを置いた時、無意識にもため息が漏れてしまい、山崎は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
「あ、あぁ。疲れてるだけだ」
いけねぇ。油断すると、まぁしなくてもだが、最近じゃあ万事屋の事ばっか考えて、仕事にも身が入らねぇんだよな。
「……そう、ですか?」
山崎は俺の返事に疑わしげな表情を見せたが、やがて、
「じゃあ、失礼します」
頭を下げ部屋を後にした。
と、思ったら5分もしないうちに山崎はまた俺の部屋へとやって来た。
「あの、副長…」
「どうした?」
「副長に客がみえてますが、通しても良いですか?」
「…客?」
「はい。万事屋の…」
っ…万事屋!?アイツが!?
山崎の言葉に、
俺の心臓は一気に跳ねた。
が…、
「新八くんです」
え、は?新八くん?
あぁ、万事屋ん所のメガネか。
続けられた山崎の言葉に、一気に跳ねた俺の心臓は 期待も虚しく急降下した。
つぅか、
「俺の客か?」
「はい」
…………メガネのガキが俺になんの用だってんだ?
分からん。
……が、まぁいい。
「…通せ」
「はい」
再び俺の部屋を後にした山崎は、じきにメガネのガキを連れ、また戻って来た。
第3話へ つづく