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□銀色キラキラ
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第5話 (1/1)





いったい いつの間に…。
それに、どれぐらいそうしていたのだろう?そうやって心地よい眠りから、高杉は覚めた。
そして ゆっくり瞼を開くと…。


『っ…!?』


かなり間近に銀時の顔があり、心臓が跳び跳ねる。しかも、銀時は眠っておらず、ジーッと高杉の事をガン見していた。


『ぎっ…/// 銀時っ…。お前…い、いつ起きて…』


動揺をサトラレない様にドキドキを抑えながら高杉は聞く。


「ん、さっきだよ?
ねぇ、そんなことより、なんで しんすけがいるの?」


『え…何でって……』


銀時に会う為に来た。
………などとは、恥ずかしくて言える訳もない。


「しらないの?きょうは せんせいのおべんきょないよ?まちがってきちゃったの?」


『え…。いや……』


別に間違えてねぇ、そう言おうとした時、銀時は眩しいほどの笑顔を見せ…。


「しんすけ、おっちょこちょいさんだねぇ」


きゃっきゃと笑った。


『っ…』


そんな銀時に、高杉は鼻血噴射寸前であった。


口元を手で覆っていると、銀時はモジモジしながら口を開く。


「…あのね、おやすみのひは、みんなここに こないでしょ?」


話し出した銀時に、高杉は耳を傾けた。


「せんせいとふたりだけだとね、このおうち、すごくひろ〜くかんじるの。ぎんはね、それがね、ちょっぴりね、さみしいなっておもったの」


『銀時…』


その言葉に、高杉はキュンと胸が少しだけ苦しくなった。


銀時に寂しい思いなどさせたく無い、と。


「だからね、さっきおきたとき しんすけがいたことがね、なんかうれしかったの!」


ニコォッとして言った銀時に、高杉は今度はズキューンと胸を締め付けられた。


『っ…///』


こっ…これはダメだろ!?
  ずるいだろ!?可愛すぎんだろぉ!!?


おまっ…そんな顔して、んな言葉かけられちまったら…落ちない男はいねぇって!!


高杉が真っ赤になり、ドキドキしていると…。


「おや、二人とも起きたんですね?」


そこへ松陽が現れた。


「あ!しょうようせんせい!ぎんね、ちょっと ねちゃった」


えへへ、と照れくさそうに笑う銀時を見て高杉はますます胸を高鳴らせる。


「えぇ。気持ち良さそうに眠っていましたね」


松陽は、微笑ましく銀時を見つめると言い、そして続けた。


「二人ともお腹は空いていませんか?おやつにプリンが取ってありますから」


「ぷりん〜!?」


銀時は松陽の言葉にキラッキラと嬉しそうに瞳を輝かせた。


「ぎん、たべる〜!」


「では、手を洗っておいで?」


松陽がニコニコして言うと、銀時もニコニコしながら返事をした。


「はぁい!!しんすけ!て、あらいにいこぉ!?」


クルッと振り返った銀時に、高杉はハッと我に返る。


『お、おう!』


ドギマギしながらも高杉は銀時の後を付いていく。


その様子を見ていた松陽は、声を出さぬ様に肩を揺らし笑った。


あの、いかにも怖いもん無しな晋助でも銀時にはかなわないんですね。…と。


「晋助の弱点は銀時ですね。……まぁ、それは私も同じ事か」


松陽は、最後にクスリと笑うと台所へと向かった。



 ……
     ……
         ……



その後、プリンを幸せそうに
笑顔で頬張る銀時の姿があまりにも可愛すぎて…。


もっと長い事この光景を見ていたいと考えた高杉は、自分のプリンが乗った器を差し出した。


『お、おい銀時、俺のプリンも食うか?』


「えっ?いいの?だって、しんすけは?」


『え…ぁ、うん。俺はいいんだ。今たいして腹減ってねぇし』


嘘であった。空いてない訳では無いが、高杉は今、自分の食欲を満たすよりも もっと可愛い銀時を見たいと言う欲の方が勝ったのである。


「そっか!じゃあ、ぎん たべてあげるね!!」


この、もうしょうがないなぁ的な言い方もまた大変可愛く、高杉は顔がニヤけそうになる。


パクっ!モグモグ。


「ぅにゅ〜!あまぁ〜い!」


……きゅん


パクっ!モグモグ。


「ん〜おいしぃ〜!」


……きゅん、きゅん!!


高杉は銀時の幸せそうな笑顔を見られただけでお腹いっぱいになったのでした。


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