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□三食(プラスおやつ)昼寝付き
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「銀さんが、妊娠してるって事です」
「っ…」
瞬間、銀時は頭が真っ白になった。
知られてしまった。
土方に、
自分が 妊娠している事を。
「………じゃあ、
銀ちゃんのお腹の子のパピーは、マヨラーなんアルか?」
「っ…ち、ちがっ…」
神楽の言葉に、銀時は焦った風に神楽を見る。
土方の方は…、もし彼が、迷惑そうな、面倒くさそうな、嫌がってる様な、そんな顔をしていたら、と思うと、怖くてとてもじゃないが見えなかった。
あまりにも突然な事態に、銀時の頭はパニックのピーク。
そして新八をキッと睨む様に見て八つ当たり。
「新八っ!!
なんでお前こんな勝手な事っ」
すると、
「メガネを叱るな。コイツは悪くねぇよ。むしろ俺は、礼を言うべきだと思ってるよ」
今まで黙っていた土方が、新八を庇う様に口を開いた。
先ほどの土方がそうだった様に、銀時もまた、久しぶりに聞く土方の声に、
ドキリと胸を高鳴らせた。
「……悪いがお前たち、
万事屋と2人だけにしてくれねぇか?話し合いたいんだ」
「はっ?べ、別に俺はお前と話す事なんて何もっ…」
「分かりました。ちゃんと、とことん話し合って下さい」
土方の言葉に、銀時が慌てて拒否しようとしていると、新八がそれを遮りながら頷いた。
「ちょっ…新八!?」
土方と2人きりなど心臓がもたない、と銀時は新八を引き止め様としたのだが、
「行こ、神楽ちゃん」
「………………分かったアル」
急すぎる展開に驚きながらも、ここは話し合うべきだと言う新八や土方の意見に同意した神楽も、2人きりにした方がいいのだと理解し立ち上がった。
「ちょっ…神楽までっ」
引き止め様とする銀時の横をすり抜け、土方の前に来ると、神楽は立ち止まり土方を見た。
「…私は、どんな事があったって銀ちゃんの味方アル。もし、銀ちゃん泣かせる様なマネしたら、そん時はただじゃ済まさないネ。覚えとけヨ、マヨ野郎」
「あぁ」
自分を脅すといった言葉なのに、そこには神楽からの銀時への愛情を感じ、土方は心があたたかくなり微笑む。
「神楽…」
お前の気持ちは嬉しいけど…、凄く嬉しいけど!だったらここに居てくれよ!俺を土方と2人っきりにしないでくれ!!
銀時は思うも、新八、神楽は定春も連れて居間を、家を、2人を残し出て行ってしまった。
「………」
「………」
そして、今この家には 銀時と土方の2人きりとなった。
【最終話へ つづく】