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□三食(プラスおやつ)昼寝付き
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「………ダシ?
絶好のチャンス?」


土方の言葉に、銀時は益々ハテナマークを浮かべる。


「責任感じてとか、義務とかじゃねぇんだ。
そんなん関係なく、ただ単に、一緒にならねぇかって事だ」


「……………は、え?」


「人間ってのは、愚か(ばか)な生き物だよな。失ってからじゃねぇと、本当に大切なもんの存在に気付きゃしねぇんだ」


「………土、方?」


土方は一度瞼を閉じると深呼吸をし、開いた瞳でまっすぐ、優しく銀時を見た。


「お前に、好きな奴が出来たって言われて、俺との関係を終わらせたいって言われて、
………正直かなり動揺した」


「え…」


「お前が、他の男のもんになると思ったら、他の男に抱かれるんだと思ったら、すげぇ焦った。すげぇ嫌だった」


「………どういう、意味?」


まさか土方が自分を想ってくれているなど思いもしなくて、本当に今の言葉の意味が分からなくて銀時は聞く。


「たくっ、ここまで言って分かんねぇのかよ?」


土方は苦笑する。
その笑顔が、綺麗で、カッコよくて、銀時は見惚れた。


「俺は、万事、…いや、銀時」


「っ…」


今まで呼ばれた事も無かった名前が愛しい男の口から囁かれた事に、銀時の心臓はドキリと跳ねた。


「お前が好きだ」


「っ…」


続けて言われた言葉に、銀時は目を見開き土方を見た。


信じられない。
今、この男は何と言った?
だって、だって自分達は、体だけの関係だったではないか。


「…………う、嘘だ」


だからつい、銀時はそんな返事をしてしまった。


「嘘じゃねぇよ」


しかし土方は冷静に言う。


「銀時と別れてからのこの2ヶ月、ずっとお前の事ばかり考えてた。どうしたら、
お前を取り戻せるんだって」


「……………だ、って…そんな。俺達は…だって…」


「確かに、始まりは酔った勢いだったし、今までの関係も、体だけってやつだったかも知れねぇ。でも…、自分でも気づかねぇうちに、
俺はお前に惚れちまってた」


「……………っ」


銀時は土方の告白を受け、半信半疑の状態ではあるが、その顔を真っ赤に真っ赤に染め上げた。


「だから、今度は体だけじゃねぇ。銀時と、心も繋がった関係になりてぇんだ。

元々、俺は家庭を持つ気は無かった。真選組という場所だけが、生涯で唯一の俺の居場所だと決めていた。
真選組だけでいいと。

でも…お前となら、
お前とだからこそ、俺は家庭を築きたいんだ」


「…土、方」


銀時の瞳からは、いつの間にか涙がひとすじ、ポロリと流れていた。


「俺んとこに来い、銀時。
そうすりゃあ、優雅な暮らし、とは言わねぇが、三食昼寝付き、それにプラスお前の好きな甘味もおやつで付けてやる。
金銭面で苦労はさせねぇ。

お前と赤ん坊、一生涯かけて絶対に幸せにする。

ついでに、
2人の子供とあのデカイ犬もまとめて面倒見てやるよ。

だから、結婚してくれ」


好き、でいてくれてる?
土方が、俺を?
銀時の心は、歓喜に震える。


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