02/03の日記

08:00
2月の行事。あ、バレンタインじゃない方ね
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つい先日、俺は
生まれてはじめて告白というものをした。


しかも、同性である男に。


心臓を痛いぐらい
バクバク高鳴らせながら勇気を出して、


‘ 好きだ。付き合ってくれ。 ’


そう言うのがやっとだった告白だけど、
でもちゃんと伝える事が出来た。


‘あぁ………そうなんだ’


と、相手の男は随分とアッサリした反応だったけど、


‘ん〜…考えていい?’


すぐに振られると思っていたから、相手の申し出は逆に嬉しかった。


ちゃんと、真面目に俺のこと考えてくれるって事だし。


…と、思えていたのも先週までだった。


流石に1ヶ月の間、返事もくれず放置されては…、もしかして俺の告白忘れてんじゃないかと不安になってきた。


そして、イライラしながら煙草の本数が普段より4倍にも5倍にも増えた頃、巡回中にバッタリと想い人に出くわした。


『っ…万事屋』


「あ、土方…」


俺の顔を見た俺の想い人、坂田銀時は…、


「………あっ!」


何か思い出したような声を上げ、


「あぁ!!………あちゃ〜」


シマッタ忘れてた!
と言わんばかりに続けた。


つうか…、今、完全に‘あちゃ〜’って言ったよな!?


やっぱり忘れてたのかよ!!?


眉間にシワを寄せ、文句の一つでも言ってやろうかと思っていると、


万事屋は、顎に手を添え、う〜ん…と考え事をし始めた。


『………』


って言うか、その仕草…、可愛いなオイ。ちょっ…ツボかも知んねぇ。


「ねぇねぇ土方くん。今夜うち来れる?」


『えっ!?』


こ、今夜!!?な、なんで!?


へ、返事か!?ようやく返事をくれるんだな?そうだな!?


し、しかも家に呼び出すとか( しかも夜に )あれ?もしかしてコレ…、OKじゃね?



















………なんて、浮かれて万事屋に行った俺がバカだった。


『………なんだコレ?』


「ん、見て分かんねぇ?」


いや、見りゃ分かる。
渡されたのは真っ赤なお面。鬼の。


「ほら、今日って節分じゃん?」


『………だから?』


「やってくんねぇ?鬼役」


『何で俺がっ…』


「え…、だっておたく鬼なんでしょ?
鬼の副長なんでしょ?ピッタリじゃん」


『何だそのこじつけは!』


「えぇ〜?やってくんないの?鬼。
やってくれよ。だってよぉ、
神楽のやつ本気で投げてくんだぜ?豆」


『は、豆?』


眉を寄せ聞き返すと万事屋も同じく眉を寄せた。


「お前、豆と本気出した神楽をなめんなよ!?あの怪力娘が加減もせずに集中攻撃して来たらどうなると思ってんだ!?
去年なんてなぁ、俺、全治1週間の怪我負ったんだぞ!?たかが豆まきなのに!
あんなもん、行事じゃねぇよ!ただの傷害事件だ!!」


『お前はそんな危ない目に俺を合わせようとしてんのか!?ふざけんな!!』


「…………えぇ〜…じゃあなに?やってくんないの?」


『当たり前だっ!
大体だなぁ!俺はっ…、

告白の返事が貰えると思って…、今日は来たってのに(ブツブツ)』


「………」


俺が不満たっぷり、といった態度を見せると、万事屋は じぃっと俺を見た後にフィッと視線を反らし横を向いた。


ん?なんか、拗ねてるっぽい。


いいな、可愛いな、ソレ。


って、いやいや、待て!拗ねたいのは俺の方だろ!?なんて思っていると…。


「……だって…、こう言うのって普通‘お父さん’の役回りだろ?」


万事屋はボソリと言った。


『…』


え?


………なに、今の?


え?………お父さん?


『お、おい万事屋、今の…』


喋り掛けてもまだそっぽを向いている万事屋の肩をギュッと掴み、俺の方に向かせる。


『おいっ!こっち見ろ!今の、どういう意味だ!?お父さんって…』


「………だって、土方って…」


喋りはじめ、一度俺と目を会わせたけど、万事屋はそれを途中でプイッと再び反らす。


「万事屋ファミリーん中に入ったら…、きっと、お父さん的ポジションじゃん」


え、え、え?


なに今の、なに今の!?


『……そ、それって…、』


返事、か?
告白の返事だと思っていいのか?


万事屋ファミリーの中に、俺を入れてくれるのか?


それって つまり、つまり…、


「………俺だってなぁ、今日ちゃんと返事しようと思って呼んでるっつうの」


『っ…』


それって、じゃあ、やっぱり…、


「……土方、」


真っ赤で綺麗な瞳を俺に向け、万事屋は言った。


「鬼役、やってくれたら付き合ってもいいよ?」


…と。


『やる!やります!やらせて下さい!!』

















この日、本気を出したチャイナ娘に加え、銀時までが かなりの力で豆まきをし、全治1週間なんてもんじゃないぐらいの怪我を俺は負った。が、


銀時と付き合えるんだ。まぁ、
これぐらい 良しとしようと思った。


って言うか、付き合い出した彼氏に対して怪我させる程 豆を投げてくるってどういう事だ!!?








(あとがき)


素直にOKの返事をするのが照れくさくて口実を作った銀ちゃん。

そして同じく照れくさくてつい豆を全力で投げちゃった銀ちゃん♪(笑)


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