03/03の日記

20:23
彼氏vs彼女パパ (土♀銀プラス松陽)
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(まえがき)


銀ちゃん女体化の現代パロ。
土銀は小学、低学年で、松陽先生は銀ちゃんのお父さんの設定です。まだ子供ですが、土銀はすでに恋人同士です。







では、本編です↓



















──────…
─────…


三月三日、その日、
銀時の家では友達数人を招き、ひな祭りのちょっとしたパーティーが行われた。


ここで少し訂正。
招かれたのは友達数人だけでは無く、それと、銀時の‘いい人’もである。


お喋りをしたり、雛あられを食べたり、お喋りをしたり、ひし形に型どられた松陽特製のちらし寿司を食べたりと、そんな楽しい時間は あっという間に過ぎていった。


「銀ちゃんバイバ〜イ」


「バイバイ」


「銀ちゃんパパ、今日はお呼ばれありがとうございました。楽しかったです」


「クスッ。いいえ。楽しんでもらえて何よりでした。またいつでも遊びにいらっしゃいね」


「はぁ〜い!」


こうして、数人分の元気な返事が重なり、パーティーはお開きとなり、招かれていた女子は全員帰って行った。


しかしここに、男子にも関わらず唯一ひとりだけ招かれた銀時のいい人、恋人である土方十四郎だけは帰らずに飾ってある雛人形をジィッと見つめていた。


そこへ、友達の見送りを済ませた銀時と松陽が玄関から戻って来た。


「…………土方くん、君は何で帰らないんですか?」


娘の彼氏など面白い訳も無く、松陽はチクリと攻撃。


「…片付け、手伝おうと思って」


雛人形から松陽へと振り向き、土方はポツリと言う。


「片付け?良いんですよ、そんな事は気にしなくても。遅くなる前に君も帰りなさい」


小学生にして彼女の親に点数稼ぎとは何て計算高い子供だ、と思いながらも松陽はテーブルの上の食器を見ながら返事をする。


すると、


「‘そっち’じゃない」


土方は、視線をテーブルに向けたままの松陽を見てすかさず言う。


「え?」


そんな土方に首を傾げる松陽に、土方はサラリと言った。


「雛人形、片付けるの手伝う」


…と。


「「えっ…」」


土方の言葉に松陽はピキリと固まり、それまで黙っていた銀時は目を丸めた。


「え〜…、おひなさま、もう片付けちゃうのぉ!?」


不満げな銀時に、土方は真剣な顔をする。


「あのな?銀、お雛様ってのはな、いつまでも飾ってるとお嫁にいき遅れるんだぞ」


「えっ…そうなの!?」


「おう。お前、俺の嫁になるのが遅くなってもいいのか?」


「えぇ〜やだぁ!!」


「だろ?だからさ、さっさと片付けちまおうぜ!!」


「うん!!」


いたって真剣なやり取りの銀時と土方に、松陽はここでようやく動く事が出来た。


「ちょっ…ちょっと待ちなさい二人とも!」


「なぁに?」


松陽にクルりと振り向き聞く銀時に、松陽は困った様に眉を八の字に下げて微笑みながら説得に試みた。


「そんな迷信の為に、飾った時にあんなに喜んでいたお雛様なのにもう片付けるんですか?」


「え…迷信?」


「そうですよ!それに、嫁にいくだの いき遅れるだの…、そんな まだまだ何年も何年も、ず〜〜〜っと先の心配なんて、早いです。そんな事の為に、一生懸命飾り付けたお雛様をもう片付けちゃうんですか?」


「う………うぅ」


それもそうかも…、と、銀時が松陽の説得に思い止まろうとしていた時、


「そんなずっと先の話でもねぇよ。俺が18になるのなんてあっという間だぜ?」


土方が横から口を挟む。


「っ…」


松陽はピクリと眉を動かす。


まさか18歳になって結婚が出来るとなったらすぐにするつもりなのか?と。


「な…何を言うんです、土方くん」


松陽は ひきつきながらも冷静な素振りを見せる。


「ま、まだまだ先の話ですよ。
それに!その時までにはほら!銀時の気持ちも変わるかも知れませんし」


そうです。銀時にすでに彼氏がいるなんて…、確かに銀時は可愛い。物凄く可愛いが、まだ小学生なんですよ!?きっと何かの気の迷いに決まってる。


きっと大人になるにつれて土方くんへの気持ちも恋とか…、そんなんじゃ無いと気づいてくれるはずだ!!


と、松陽は平常心を保とうとしていた。


「………変わったりしませんよ。俺の気持ちも銀時の気持ちも。な?銀」


土方は松陽の言葉に、ムッとしながら自分達の想いは本物であると主張する。


「うん!銀、ずっとトシの事好きだよ!」


ニコッとし返事した銀時に、


土方は満足そうにニコニコし、松陽はつまらなそうにムゥッとした。


「って事なんで、雛人形(これ)片付けましょうか、お父さん」


ニヤリとして言う土方。


「君に‘お父さん’と呼ばれる筋合いはありませんが?」


面白くないと言わんばかりの表情の松陽。


「それに!雛人形はまだ片付けません!元々、今月中は飾りっぱなしにする予定だったんですし」


キッパリと言い切る松陽。


「………大人げねぇ」


素直な感想を言う土方。


「片付けないの?」


首を傾げる銀時。


「片付けません!」

「片付ける!」


結婚などいつまでもさせたくない松陽と、18になったらソッコー結婚しようと思っている土方の声は重なった。


「え…、どっち?」


銀時は、そんな二人にキョトンとするのだった。


「なんだよ!さっき自分で迷信とか言ってただろ!?なら片付けたっていいじゃねぇか!?お父さん!」


「なっ…だから君に‘お父さん’呼ばわりされる覚えはありませんよ!?やめなさいソレ!それにっ、雛人形をいつまで飾ろうが、そんな事はうちの自由です!‘他人’である君には関係ありません!」


「他人じゃねぇ!!俺は将来、銀の家族になるんだ!!」


「君の言い分では、あくまでも今現在は‘他人’です。ですからこの雛人形について君が意見を言う権利はこれっぽっちも、あ り ま せんっ!」


「ムッ…。本当、子供相手に大人げねぇぞ!!」


「何とでも言いなさい」


「………(あれ?お父さんとトシって…、仲悪かったっけ?)」


さてさて、彼氏と彼女パパの戦いの結末は…、まだまだ何年も先の事。



【end】




☆コメント☆
[アリオス] 03-04 09:17 削除
初めてコメントを出します。
なんだかこういう事は本当にありそうで面白いです(^-^)。それでこの後、松陽先生が銀時に「トシとの結婚(または恋人付き合い)を認めてくれないお父さんなんか大嫌い」とか言われて屍状態になってたりしたら面白そうだなと思いました。

[光松] 03-05 08:24 削除
>アリオス様

コメントありがとうございます(o^冖^o)

面白いと言って頂けて嬉しいです!
‘父さんなんか嫌い’とかは、この先、土方さんとの交際が続く限り、それをよく思ってない松陽パパが口出しとかして、で、軽く親子ケンカとかになっちゃて…、銀ちゃんは本気で思ってなくても、きっと口にしちゃうんでしょうね(笑)

そんな事を言われた松陽パパの落ち込みが浮かんで見えます(*´艸`)

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