07/04の日記

21:33
焼きもち (高銀)
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高杉 晋助という男は、決して暇な日常をおくっている訳では無い。無理くり時間を作っては江戸へやって来る。

指名手配犯にも関わらず、真選組という対テロ用特殊部隊が存在(いる)江戸へ足繁く通うのは、江戸(そこ)に愛しい恋人の銀時という存在がある為である。

そして、今日も今日とて、捕まるかも知れないというリスクを重々承知で銀時に会いに来たと言うのに、その愛しい愛しい銀時は、機嫌がすこぶる悪かった。


「…よぉ」


ケーキを手土産に玄関を上がるも、銀時はムスッとしていて返事もしない。

いつもならば、甘いものの一つでも持って訪れればニコニコと笑顔で出迎えてくれるのに。


「…………何だ?
言いたい事があるならハッキリ言えや」


廊下を進み、居間へ着き、ソファーに座っても何も喋ろうとしないツンとした銀時に、流石に高杉はイラッとした。

眉を寄せ聞くと、銀時も同じく眉を寄せようやくボソリとではあるが口を開いた。


「……………見たよ」

「あ?」


やっと喋ったと思ったら、意味が解らず高杉はますます眉を寄せる。


「………7月4日放送の、丁か半か」

「…?」


やっぱり意味が解らなかったが、高杉は少し考えて、あぁ、と納得した。


「なんだ、本編にチラッとでも出れなくてスネてんのか?」


確かに、その日のアニメ銀魂の放送は、高杉と神威がメイン出演で、主役である銀時は一切出ていなかった。


「んな事で拗ねるかよっ!!」


銀時は高杉の言葉に、益々ムスゥッと頬を膨らませる。

そして、いじけた様に目を高杉から反らした。


「…………な、んだよ…アレ」


アレってなんだ?と高杉が頭を捻っていると、銀時はボソボソと話し出した。


「何あのガキと仲良さげにしてんだよ…。背中預けて戦っちゃったりしてさ…」

「…は?」


銀時の思わぬ言葉に、高杉はキョトンとする。


「それにっ、何あの新エンディング。これまた仲良さげに同じカットに映っちゃってさ。いい感じの雰囲気出しちゃってさっ」

「………銀?お前…まさか…」

「…ムカつく。あのガキも、あのガキと仲良く手ぇ組みやがったお前もっ!」


高杉は、機嫌の悪いイライラした様子の目の前の銀時にドキドキと胸を高鳴らせ、顔が熱くなるのを感じた。


「…神威に妬いてんのか?」

「はあぁぁ!?なんで俺が妬かなきゃいけないんですかぁ!?つうか、神威?親しげに呼び捨ててんじゃねぇよ!!」


否定するものの、明らかに焼きもちを妬いている銀時に、高杉は嬉しそうにニヤニヤと緩みそうになる顔を抑えられなかった。


「っ…なにニヤケてんだてめぇ!違うっつってんだろうがぁ!!」


ますますムスッとする銀時。
そんな銀時の肩に手をやり、高杉は自分の方へとその体を抱き寄せた。


「バカだなァ。
あんなもん、ただのフィクションだろうが。俺ァ銀時以外の人間と雰囲気を出すつもりも仲良くするつもりもありゃしねぇよ」

「…っ」


ふわりと鼻を掠めた高杉の煙り混じりの匂いと、体に触れた温もりに、銀時はキュンと胸を高鳴らせた。


「俺にはお前だけだ」

「……………ほ、本当に?」


抱き締めた腕の中から自分を上目遣いで見上げる様にして、聞いて来る何とも愛らしい銀時に、高杉の下半身は疼く。


「あぁ、当たり前だろ?銀時相手じゃなきゃ、俺のはおっ勃ちゃしねぇよ」

「っ…///」


恥ずかしそうに、カッと赤く頬を染めた銀時に、高杉はニヤリと厭らしく微笑んだ。


「その証拠、今から思う存分、味わわせてやらァ」


言うなり、高杉は本能のまま情熱的に口づける。


「ンッ…」


薄く開いた銀時の唇を己の舌で割り、その熱い口内へと侵入させねっとりと互いの舌を絡ませる。

くちゅくちゅっと響く水音。

鼻を抜ける銀時の苦し気な、それでも甘く官能的な息遣いに、高杉は興奮を高ぶらせる。

ソファーに銀時の体を組み敷きながら、銀時の着流しを肌けさせていく。

キスですっかり頬を上気させ、瞳をぽやんと潤ませてしまった銀時は、この後、もちろん余すこと無くそれはそれは美味しく高杉にいただかれてしまったとか。

そして、たっぷりの愛を高杉に時間をかけて注がれた銀時の機嫌は、疲れて一眠りの後、手土産のケーキを食べる頃にはすっかり良くなったのでした。




【end】





(あとがき)


ちょっと高杉さん!あなた銀ちゃんって者がありながらなに神威と仲良さげにしてるの!?浮気?これって浮気!?

……と、言うのが7/4分のアニ銀「丁か半か」を見た私の感想です(笑)

そして、ラブラブな高銀が見たい!って思わず衝動的に書いたけど、なんか中途半端な終わり方だったような気も(^_^;)汗)

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