12/25の日記
19:21
メリークリスマス (微裏)
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現代パロ。※微裏
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今年は12月23日、24日、25日と、世間様では三連休らしいが、そんなもん俺には関係なく普通に仕事だった。
どこの会社もそうだろうが、うちの会社も例外に漏れず、年末になると忙しい為、土日も関係なく駆り出される事となる。
別にクリスマスだから休みたい、とは思わねぇが、せめて日曜ぐらいはゆっくり体を休めたいと思うのは当然の事だろう。
しかし、どんなに文句を言おうが休日出勤は言い渡され、三連休とは真逆の、三日連続、休み返上の日々を俺はこなさざるを得ない事となった。
休日出勤最終日(もちろん明日も仕事だが)25日、夜21:30過ぎ、会社を出て駅に向かって歩いていると、不意にある店から流れるクリスマスソングが耳に届く。
チラリと見れば、それはケーキ屋で、店の前には簡易机が設置されており、その上にラジカセが置いてあった。
その横にサンタ姿の店員が立っていた。
スタスタ歩き、その前を通り過ぎ様とした時、その店員サンタに声を掛けられる。
「あっ!ねぇねぇお兄さん!」
「えっ…」
呼び止められるとは思っていなかったので、ピクッと肩を揺らし振り向いた。
と、その瞬間。店員サンタの顔を初めて見たその時、まるで雷にでも打たれたのでは!という衝撃が俺の全身に駆け巡った。
気だるそうな表情なのに、思わず惹き込まれそうになる真っ赤な瞳。キラキラ輝く銀色頭が真っ赤な帽子から ふわりと覗いている。 このサンタ、お…男だよな?
あ、あれ?同性の男相手に何ドキドキしてんだよ、俺。これは、久しく味わってねぇ感じのアレに似ている。
………こ、恋、みたいな。
いや、いやいや!一目惚れとかマジであり得るのか!?しかもこの人、男だし。
「ケーキ買わない?最後の一個だよ」
ラジカセが置いてある同じ簡易机には、残りひとつだけ、真っ白なケーキの箱がぽつん、と置かれていた。
「って言うかさ、ぶっちゃけこれ売らなきゃ俺のバイト終わんないんだよねぇ」
言いながらへらっと笑った店員サンタに俺の心臓はヤバいくらいドキッと高鳴る。
やっぱ恋かも。
コイツが同じ男とか関係ねぇよ!!
「お兄さんが買ってくれれば、即そこでバイト終わって帰れるんだぁ俺。だから買ってくんない?あ、ほら!ケーキ(これ)持って帰れば彼女に喜んでもらえるかもよ?」
「っ…俺には彼女なんていねぇ!今俺はフリーだ!!」
誤解されたくなくて慌てて訂正を入れれば、店員サンタはキョトンと目を丸めた。
「あ、そう、なんだ?
お兄さんカッコ良いからさ、勝手に彼女居るって決めつけちゃった。ごめんね」
っ…。か、カッコ良い!?つったか?今。少なくとも外見は誉められたんだよな?
う、嬉しいっ!!
「い、いや。…別に」
「えっと〜じゃあ、買わない、よね?俺は甘党でケーキとか甘いもの大好きだから、ワンホールぐらいペロッと食べれちゃうけど…。そうじゃない普通の男の人ひとりだったら、買っても無駄になっちゃうもんね」
「…………いや、買わせてもらうよ」
「…えっ!?いいの?」
俺の返事が意外だったのか、店員サンタは少し驚いた様子を見せた。
「あぁ、だって、最後のケーキ(これ)が売れればバイト上がれるんだろ?」
「うん!帰れる!!」
嬉しそうな店員サンタの顔に見惚れると同時に嫌な予感がよぎり心臓がズキリとした。
「なんでそんな早く帰りてぇんだ?…お前こそ、彼女でも、家で待ってんのか?」
言葉にすると、ますます気分が落ち込んだ。俺がケーキを買う事で、コイツを少しでも早く彼女の所へ帰す事になるのなら、ケーキを買うなんて、言わなきゃよかった。
「え?あっ、違う違う!」
すると、店員サンタはブンブンと両手を横に振った。
「俺も彼女なんて居ないよ?ただ、ほら、外で売り子って寒いし、辛いなって思って、だから早く終わらせたかっただけ」
その言葉に、俺はホッと安心した。
「そ、そうか」
良かった。
とは、流石に言葉に出来なかった。
「……俺が言い出した事だけど…でも、本当に買って貰っちゃって良いの?
あっ!もしかしてお兄さんも甘党?」
「え、あ、いや」
紙に書かれた値段の金を財布から取り出していると、質問され、俺は否定した。
「違うの?」
袋にケーキの箱を入れながら、店員サンタは不思議そうに首を傾げた。
「あぁ。…………えっと…、お前、この後なにか予定あるか?友達と会うとか、家族とクリスマスパーティーがあるとか…」
「え?…別にないけど?」
その返事を聞き、次の瞬間には 自分とは思えないぐらい大胆な誘いを口にした。
「だったら、俺ん家に来ないか?」
「へ?」
「お前、甘党だって言うし、俺ひとりじゃケーキ(これ)食いきれそうにないから、だから、手伝ってくれねぇか?……だめか?」
なんて下手な誘い文句だ、と我ながらそう思っていると、
「銀時」
店員サンタはポツリと言った。
「え?」
「お前じゃなくて、俺の名前‘坂田 銀時’っていうの!!」
少し頬を膨らませ言う店員サンタ…じゃなくて銀時。わ、めちゃくちゃ可愛い。
「あ、悪ぃ。銀時、だな」
名前知れた!って言うか向こうから教えてくれた!こんだけの事がすげぇ嬉しい!
「あっ!俺は土方だ。土方 十四郎」
名乗られたんだ。名乗り返すのが常識だろうと慌てて口にする。
「ふーん。土方さん、ね。……いいよ?」
「…え?」
何がいいのか言われてる意味が分からず、俺は聞き返す。
すると、銀時はプッと笑った。
「もうっしっかりしてよ!自分から誘ったくせに。土方さんの家に行って、ケーキ食べるの手伝ってやるって言ってんの!」
え、えっ、えぇっ!!?
まっ…………マジでかっ!!
「い、いいのか?」
嬉しさのあまり心の中でガッツポーズをしながら、喜びで感激している事をサトラレない様に気を払い、聞き返す。
「うん、いいよ?こんな 初めて会ったバイト野郎を誘っちゃうぐらいに彼女も友達も居なくて寂しかったんだよね?そんな可哀想な土方さんがクリスマスの夜を独りぼっちで過ごさなきゃならないのを避ける為に、俺が付き合ってあげましょう?」
「っ……俺を残念な奴みたいに言うな!友達ぐらい居るわ!」
「はいはい。分かりましたよ。じゃあ、そう言う事にしといてあげるよ」
本当に友達が居ない事はないんだが、ま、まぁ、その勘違いのお陰で銀時が俺ん家に来てくれるってんなら、そのままでいっか。
こうしてバイトが終わった銀時を連れ、俺はウキウキしながら帰宅する事となった。
色々聞こう。携番とかアドレスとか。
そんな事?というものでも良い。年齢や、好きな食べ物や、好きな季節。趣味とか。
ゆっくりで良い。友達から始めよう。
「あっ、ぁ…ンッ…ひゃあっんっ」
お友達から、なんて思っていながらも、銀時が俺の部屋で酒も入り頬をほんのり赤く染めているのを見たら、ムラムラ欲情したのを抑えられず、俺も酔ったのを勢いにか、つい銀時を押し倒し、強引に唇を奪い、服も肌けさせ、現れた可愛い乳首びに吸い付いていた。
ちゅぷっ ちゅぱっ れろっ
「あっあっあっ…やぁんっ」
「はっはっ、銀時、可愛いよっ。厭らしいんだな?乳首、もうこんなにもコリコリ硬くなってるぜ?そんなに感じる?」
「あっ…やっ、だって…土方さんがっ弄るからぁ…あぁっ…あっ、ふあんっ」
可愛い!可愛い!可愛いっ!
堪らなくなり、俺は乳首を舐め回しながら銀時の下半身へと手を伸ばした。
「ひゃっ……あっ、あんっ」
完全に勃起している銀時のソレに触れれば、俺は鼻息も荒くしゾクゾクした。
「ひ、土方さんって…女や男関係なく いつもこんな事っ…あんっ…してるのっ?」
「する訳ねぇだろ?女ですら会ったその日に自分ん家に連れ込むなんてした事ねぇし、その上、男相手なんてのも初めてだ。
お前だから、銀時だから理性が効かなくなっちまったんだ。一目惚れなんて、生まれて初めてなんだよ俺は!」
「っ!?…あっあっん。あ、あの…俺」
甘く喘ぎながらも、銀時は何かを言おうとした。
「俺っ、そんな簡単な奴だって、思わないでね?あんっ…別に、誰にでも付いてく様なっ尻軽じゃ…ないんだからねっ?」
っ!? どういう意味だ?
ピタリと愛撫の手を止め銀時の顔を伺う様に見れば、銀時はポツリと話し出した。
「…………実は、土方さんの事、前から知ってたんだ 俺。会社からの帰り道だからか、ケーキ屋の前、毎日通ってるだろ?実はあの店俺ん家なんだ。だからよくバイトに駆り出されて…。それで店の中から何回も土方さんの姿を見てるうちに…いつの間にか気になる存在になってて…。今日は、クリスマスだし、思いきって声掛けてみたんだ」
そ、それってつまり…。
「銀時も…俺を…好きって、事か?」
「………じゃなきゃ、男である土方さんを、ナンパなんてしないよ」
恥ずかしそうに真っ赤に真っ赤に染まった銀時の顔が、堪らなく愛しくて、
「銀時っ!好きだ!!」
ギュッと抱き締めた。
「………うん。俺も、大好き」
こんなハッピーなクリスマス、生まれて初めてだ。
「銀時っ銀時っ!!」
ぐちゅっぐちゅっ にゅぽっ ぬぽっ
「あっ、あっ…だっだめぇっ、そんなっおっきいっので…ズボズボ突いちゃっ…あっあっ、おかしくなっちゃうよぉっ!」
この後、二人して火照った身体でじっくりたっぷり熱い熱い夜を過ごしたのだった。
更にこの後、俺達は自他共に認める程のラブラブカップルになる事になる。
【end】
(あとがき)
気づけば、果たしてこれはSSなのか?という長さになった気がしてなりません(笑)
なにはともあれ、メリークリスマス!
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