06/26の日記

22:32
6月26日 (ヅラ銀)
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それはある日の事だった。万事屋に銀時の昔馴染みの桂が突然やって来た。


ソファーに向かい合わせで座ると、暫く互いに黙ったままだったが、痺れを切らした様子で桂は口を開いた。


「銀時…」


「なんだよ?ヅラ」


「ヅラじゃない桂だっ!お前、俺に何か言う事はないのか?」


「別に無いけど?」


「無いだと!?しかも即答とは!よく考えてみるんだ銀時!」


「え〜?……やっぱ無い」


「短っ!考える時間短っ!!限りなく一秒に近い二秒ぐらいだったぞ!?
もう一度よく考えてみるんだ銀時!例えば今日が何の日なのかとか!ほら!今日は何月だ?何日だ!?それが分かれば自ずと俺に何か言わねばならぬ事がハッキリするはずだぞ!?どうだ?まだ分からぬか?」


そんなうざい桂に銀時はキレた。


「あぁ゙〜うるせぇなぁ!!6月だろ?26日だろ!?ヅラの誕生日だろ!?」


「な、なんだ…知っておったのか?だったら最初から言えばイイものを…。焦らしおって、このお茶目さんめ」


なんだかんだ言いながらもちゃんと自分の誕生日を覚えていた銀時に桂は嬉しくなる。


「焦らしてねぇよ。誰がお茶目さんだキモい言い方すんな」


そこでため息を一つつくと銀時は続けた。


「何の日か知ってるっつったらお前、どうせプレゼント寄越せとか言い出すだろ?俺そんなん買う金持ってねぇもん」


「何を言う。俺が(金欠である銀時に)そんな図々しい要求をする訳がなかろう。俺はただ銀時に祝いの言葉を一言だけでも掛けてもらいたくてだな!」


「………本当だろうな?俺ぁマジでプレゼントなんてやれねぇからな?」


「疑り深い奴だな。そんなに心配せずとも…、ほら、これを見てみろ!」


すると桂は、持参し、ソファーに座る時に自分の足元に置いていた紙袋を手にした。


「…なんだよソレ」


聞く銀時に、桂は うむ、と頷きゴソゴソと袋の中を探りながら返事をする。


「まぁどうせ銀時に用意は出来ぬだろうと思ってな、こっちで用意してきたんだ」


「…何を?」


「プレゼントを、だ」


「は?」


桂は 綺麗にラッピングしリボンまで付いた手のひらサイズの箱を銀時に向けた。


「銀時はこれを俺に渡しながらニッコリ微笑み、おめでとうと言うだけで良い」


「………………お前…バカだろ」


「バカじゃないヅラだ!ぁ、間違えたっ。桂だ!」


「…やっぱバカだろ。お前それかなり虚しくねぇか?」


「何を言う。虚しくなんかないわ」


そこで銀時は少し考える素振りをし、首を横に振ってから立ち上がった。


「い〜や!そんな自作自演なんざ絶対に虚しいに決まってる!!」


そして桂の元へと近づき、その肩に手を置くと銀時はそのまま腰をかがませた。


「…銀、時?」


銀時の行動に不思議そうにしていた桂は、次の瞬間、


「っ……!!?」


目を見開き固まった。


何故なら、銀時の唇が自分の唇に触れ、自分たちは今キスをしていたからである。


実際に唇が重なりあっていたのは3秒か4秒かという短い時間だったのだが、桂には永遠にも思える長い時であった。


銀時から引っ付いた唇は、再び銀時から離れていく。


「やっぱ、俺からってていで自分で自分のプレゼント用意するなんて、変だろ。ちゃんと俺からのプレゼントじゃなきゃ虚しいって。ま、金がねぇ俺にはコレが限界だけどさ」


頬を染め、桂から目を反らしながら言う銀時。


「……おめでと」


照れくささを隠す為か、銀時がボソッと言った途端に桂はブハッと真っ赤な鼻血を出したのだった。


「っ…ぅお!?お、おいヅラっ…だ、大丈夫かよ!?」


「ヅラじゃない桂だ。ついでに言えば大丈夫じゃない。心臓がドキドキバクバクし過ぎてどうにかなりそうだ」


鼻を手のひらで覆いながらくぐもった声で桂は言った。


「……じゃ、あ…もう しない。キス」


ポソッと何処と無く寂しげに銀時が言えば、桂はブンブン首を振る。


「いやっ!それは…困る」


「…………なん、で?ヅラ、これからも俺とキス、したいの?」


「あ、あ…当たり前であろうが」


「……へぇ〜。ふ〜ん。な、なら、別に、これからも してあげても…いいけど?」


「いっ言っておくが!俺は恋人でもない奴と接吻など、する人間ではないぞ!?」


「へぇ、奇遇だな。………俺もだ」


互いに顔を赤く赤く染め、互いに長年の想いを成就させたカップルの誕生であった。




【end】



(あとがき)


何とか今日に間に合って良かった(笑)
実は、一時はもう間に合わないぃぃって諦めかけたりもしたりして←


裏設定としては、桂さんの気持ちは銀ちゃんにはバレバレで(小さい頃から)銀ちゃんが行動を起こせば二人の仲は発展するって感じだった。でも、こんなバカを好きなんて認めたくない。と長年、銀ちゃんは思っていて(笑)でもやっぱり好きだからそろそろ認めるか、みたいになりました。


ではでは、桂さん誕生日おめでとうございます!!今頃は、誕生日パーティー開いて欲しくてどこかでスタンバってる途中だったりするんでしょうか?(笑)


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