07/05の日記

08:20
サスペンスに繋がるか。 (微エロ)
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俺は、それが女だ男だ関係なく、誰かと真剣に付き合うという事をしてこなかった。


今までは、色恋沙汰など無縁に近かった。そんなものより仕事の方が大事だった。


でも、あの男に出会い、何よりも、誰よりもあの男、坂田 銀時が大切で愛しくて…欲しくて、手に入れたくて堪らなかった。


必死の思いで告白をすると、夢みたいな事が起こった。


顔を赤く染めた銀時が、


「………実は…お、俺…も、土方くんの事が…好きだった」


恥ずかしそうに そう呟いた。


今まで生きてきて、こんなに心臓がドクドクと早鐘を打った事はあっただろうか?


今まで生きてきて、こんなに嬉しくて幸せを感じた事はあっただろうか?


「俺の…恋人に、なってくれるか?」


聞くと、銀時は益々、耳まで真っ赤にさせてコクンと頷いた。


俺の人生初の恋人が同性である男だという事については引け目はちっとも無かった。


男同士という事実に世間の目なんて一切気にならない。陰口叩きたい奴がいるなら勝手にしてくれとすら思う。いや、むしろ、俺は世界中の奴らに銀時が俺の恋人であるという事を言い触らしたいぐらいだった。


世界中、は言い過ぎかも知れないが、江戸中には(互いに江戸では有名人である為か)銀時と付き合いだしてから程なくして噂が流れた。


真選組副長と、何かと顔の広い万事屋主人がデキている、と。


あたたかく見守ってくれる人もいれば、もちろん男同士という事で、それなりに批判的な意見や態度を住人から受ける事も少なからずある。


しかし、慣れなのか何なのか、日常が過ぎていく中で、俺と銀時は周囲にも認められる程のラブラブばかっプルと成長していった。


手を繋いで散歩して、人目を盗んでキスをして、人気のない場所で抱き締めて。


付き合いだして3ヶ月。俺は、そろそろ次のステップに進もうと決意している。


大好きで大好きで大好きで!こんなにも愛しい恋人がいるんだ。そりゃ…、


抱きたい。ってもんだろ。


デートの終盤、居酒屋で飲んだ後、月明かりの下を二人で手を繋いで歩いている時、俺はおもむろに口を開いた。


「今日は…このまま、帰したくない」


「っ……え?」


俺は、銀時の手を握る自分の手にギュッと力を込めた。


「これから…俺はお前の事、ラブホに連れ込もうと思ってる。…どうだろうか?」


緊張しながらも聞き、隣をチラリと見れば、銀時は告白の時と同様にその顔を真っ赤に真っ赤に染めていた。これは、きっと酔っている所為だけではない。


「……………………良いと、思います」


しばらくすると、銀時は恥ずかしそうに俺から目を反らしながら了承の言葉を口にした。


っ!!?
いっ今、い、良いと言ったか!?もしかして、銀時も俺と同じ気持ちだったとか!?


それから俺は、興奮を押さえられずに銀時を引っ張るようにしてラブホへ向かった。


「あ、待って?土方」


さぁラブホに入るぞって入口ギリギリで銀時は俺の腕に触れながら言った。


まさか、ここまで来て気が変わっちまったとか言わねぇよな?そりゃねぇだろ…。


不安な気持ちで銀時に振り返ると、銀時は思ってもみなかった事を言った。


「男同士だとさ、入らせてくれねぇホテルもあんだよ。ここはダメ。あっちなら入れるから」


と、銀時は斜め向かいのラブホを指差した。


え?何でそんな事コイツが知って…。と、俺がポカンとしている間に今度は銀時が俺を引っ張って向かいのホテルへと歩いた。


その後も、テキパキと準備を進める銀時の言動には違和感を覚えさせられた。


何て言うのか…、男同士での行為に妙に慣れていると言うか…。


「………………銀時…お前、過去にも……男と…経験、あるのか?」


「えっ?」


聞いた後で、聞かなきゃよかったと後悔した。俺は別に銀時の最初の男になりたかった訳じゃない。(そりゃあ、そうであれば良いにこした事はないが)最後の男になりたいのだ。


一生、銀時と添い遂げるのが俺であれば良いって話である。あるが、………でも。


銀時が俺以外の他の男に想いを寄せていた過去など、知りたくはなかった。


「ぁ…うん。一回だけ…男と付き合った事があって…。その時に……何度か…」


最後の方は申し訳なさそうに小声になりながらも 銀時はそう言った。


瞬間、俺の目の前はカッと真っ赤に染まった。腹ん中にどす黒くモヤモヤしたもんが蠢いた。頭が酷くガンガンと鳴っているような気がする。


こんなにも激しく醜い嫉妬にかられたのは初めてだ。















「ぁ…あっ…あっ…ン、ひゃあぁっ」


「くっ…銀!銀っ!」


はじめては優しくしてやるつもりだったのに、俺は自分の気持ちを押さえられず、嫉妬をぶつけるように強引に銀時のカラダを貪った。


「あんっ…あ、あっ…やぁん、あっぁあ」


自分勝手な事は分かってる。でも、こんなに無理矢理にしてるのに気持ち良さそうに喘いでヨガって、自らも腰を厭らしく振って俺と絡まり合う銀時に、余計イラついた。


誰にこんな風に淫乱に開発されたんだ。


この甘い喘ぎ声を俺以外にも聞かせて、こんな淫らな顔も俺以外に見せて、こんなにも気持ち良いお前の中を味わわせて、この雄の匂いも嗅がせたのか?


ここも、ここも、全部、全部…俺以外の男が知っているっていうのか!?


くそっ!くそっ!!


「ひゃぁあっ!あっ、深っ…あんっ…奥までっ…あっ…あぁっあっあっ…」


トロンと蕩けそうな表情で瞳を潤ませる銀時に、腹は立っていても俺の下半身はドクンッと素直に反応し膨張する。


「あぁああっ…ンッ…あっ、土、方ぁ…ソコッ…あ、気持ち、いいっ…あっ、ぁ」


「っ!!」


くそっ!こんなエロい顔、誰に教え込まれて来たんだよっ!?どこのどいつだ?


銀時の元カレ、殺してぇ!!


「土方ぁ…いいっ、気持ち良いよぉ…あっ…あぁっ」


可愛い!可愛い!可愛いっ!!
くそっ!銀時のこんな姿、俺だけが見たかったのにっ!!


ちゃんと愛したいのに八つ当たりのように夢中で銀時を攻め立て、欲望が弾けて行為が終わると、互いに肩で息をした。


「…………あの…ごめん、ね?土方が…初めてじゃなくて…」


俺の焼きもちに気づいていた銀時は、未だ繋がったままの状態で、俺の背中に腕を回し、ギュッと抱きつきながら言った。


「……別に銀時が謝る事ないだろ。お前が悪い訳じゃねぇんだから」


俺は銀時を抱き締め返す。


「でも…さ、」


「本当に。これは、俺が大人げなかった。嫌な思いさせちまったか?悪かったな」


「ううん。俺は、平気。土方は?本当にもう大丈夫?」


体を酷くされたのは自分の方なのに俺の心の方を心配する優しい銀時に、俺はとてつもなくズキュンときた。片手を銀時の頭へ移動さて、ナデナデと撫でる。


「大丈夫だって」


「本当?」


「あぁ…」


本当に 大丈夫だ。


だって…、


いつか絶対に探しだして殺すから。


やっぱり、こんな可愛い銀時を独り占めしてた野郎が俺以外に居たとかムカつくだろ。だから、必ず抹殺してやるよ。





【end】



(あとがき)


えーと、土方さんは本気です。
超逃げてっ!銀ちゃんの元カレ!(笑)
元カレ、毎度ながら高杉さんも良いけど、今回は坂本さん辺りにしとこうかな。

この話の隠れ設定としては、土方さんはすっごい独占欲の塊です。私としてはちょっと病んでるぐらいが希望です←

もうね、銀ちゃんは土方さんを受け入れたからには二度と逃げられません。別れられません。一生、土方という名の檻の中で、彼の本性に気づかぬまま (気づいても面白いけど) 銀ちゃんは捕らえられて生きていくのです。

きっとね、それが友達であろうともう二度と男と二人だけでは出掛けられません。
そんな事は土方さんが許しません。

タイトルは、もし続編があるなら、そのジャンルはサスペンスになるのかなぁ?って意味でこんなタイトルにしました。ま、多分 続編なんて書かないと思うけどね←

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