01/27の日記

09:14
名前呼びはやっぱ特別だと思います (坂銀のような高銀)
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「決めた!
わしは宇宙に行くぜよ。こんな戦はいたずらに仲間を死にに行かせるだけじゃ。…もう仲間が死ぬところは見とうない。だから、わしは宇宙に行く。 宇宙にでっかい船浮かべて、星ごと掬いあげる漁をするんじゃ。

どうじゃ銀時。おんしゃ こん狭か地球(ほし)に閉じ込めておくには、もったいない男じゃき。
わしと、一緒に……………」


「……っ」


言葉を切ってしまった坂本の顔をチラリと見た銀時は目を見張った。いつもとは違い、坂本がとても真剣な顔をして自分を見つめていたから。


「わしと一緒に、来てほしい。わしに、ついて来てほしい」


「…辰馬?」


「………プロポーズじゃ」


とても優しい眼差しで言う坂本に銀時はピクッと肩が揺れた。


「わしと添いとげてほしい」


「っ…そんな事っ…急に、言われたって…」


「わしがおまんを‘そう言う意味で’好いとった事、ほんまはとっくに気づいちょったやろ?それに、急やなかったら えぇんか?ついて来てくれるんか?」


「っ…」


「銀時、おまんしかおらんき。わしと、一緒に………」


















「…………辰馬…、ごめん」



◇◇◇


数日後、旅立って行く坂本を見送った後、銀時は何となくプロポーズをされた屋根の上に移動した。その時と同じようにゴロンと寝転ぶ。


あの時と違うのは、目の前に広がるのが夜空ではなく、澄みきった青空であるという事だった。


そんな銀時の元に近づく人物が一人。


「…お前は、」


「…高杉」


突然話し掛けられ、その声に銀時が振り返るとそこに居たのは高杉であった。
銀時が上半身だけ起き上がらせ座った状態になると、高杉はその隣に同じように座り込んだ。


「お前は…、坂本(あいつ)に ついて行くもんだと思ってた」


「…え?」


「お前は…あいつの事が、好きなんだと思ってた」


「………………なんで?」


「だってお前っ!
…やけに仲良さげだったし、それに、あいつの事だけ、名前呼びだったじゃねぇか。古い付き合いだってのに俺やヅラの事は名字で呼ぶくせによ(ブツブツ)」


高杉の言い分に暫しキョトンとしていた銀時だったが、徐々に笑いが込み上げてきた。


プッと吹き出し、声を上げ笑う銀時を、恥ずかしいからか高杉はムッと眉を寄せ睨み付ける。


「てめぇっ!なに笑ってやがる!」


「あはは、だって…くくっ、なにそれ。焼きもち?」


「っ…」


図星をつかれた高杉はグッと口ごもる。


「他とは違ってなぁんか特別感あるもんな?くくっ、そっか、そっか。好きだから名前呼び、ね?まぁ、俺はそんなつもりでアイツの事を呼んでた訳じゃなかったけど…。
でも、これで謎が解けたわ」


「……あ?」


「だから高杉(おまえ)俺の事だけ、名前呼びだったんだ?」


「っ…!!?」


「実は前から何でだろうとは思ってたんだよな。ヅラはまぁニックネームだけど、桂って名字から来てるから名字呼びみたいなもんだし、その他の奴らもみんな名字で呼ぶのに俺の事だけ昔から‘銀時’だもんな?」


ニヤッとした笑みを向けられ、高杉は頬を赤く染めた。


「気づいた時にはもう名前呼びだったよなぁ?ってか、お前に名字で呼ばれた記憶がねぇや。ふむ。そんなに前から俺の事、好きだったんだ?あ、ひょっとして一目惚れだったとか?」


こてん、と小首を傾げ可愛らしく聞いてくる銀時に、愛しいという感情と同時に憎たらしいと言う感情も沸き上がる。可愛さ余って何とやら、である。


「…………悪いか?(ボソッ)」


しかし、黙ったままでは何か悔しくて言い返すも、それは肯定の言葉で、銀時は自然、頬が緩む。


「別にぃ?」


すました顔で短く返すと、銀時はニッと笑顔を見せる。


「なぁ、俺お腹すいた!戻って何か食おうぜ?‘晋助’」


「………………ぇ、はっ?」


「ん?」


ニコニコ笑顔の銀時に、目を見開き驚きを隠せない高杉。


「お前っ… (今までの話の流れで急に俺を) 名前呼びとかっ…どんなつもりで… (イタズラのつもりか!?) 」


「…別に?
晋助の好きに解釈すれば?」


「っ…!!?」


照れくさそうに頬を微かに染めて呟いた銀時を前に、高杉はボボボッと顔を赤くした。


この後、坂本を名前で呼ばなくなった変わりに、高杉の事を名前で呼ぶようになった銀時が見掛けられるようになったとか。





(あとがき)



何となくね、坂銀のような高銀のようなものが書きたかった。


裏設定としては、坂本と言う男に出会って、銀ちゃんは確かに惹かれました。淡くね。でも、昔からずっと一緒だった高杉の事が気になると言うか、ぶっちゃけ好きなのもまた事実。

ハッキリとした結論を出さなきゃいけないってなった時、銀ちゃんが選んだのはやっぱ高杉です。高杉と離ればなれになるとか想像できない、みたいな。


揺れ動く乙女心みたいなものが書きたかったんだけど…書け、うん。書けてたとしよう←


しかしアレだね。土佐弁って難しいね。間違っててもスルーしてやって下さいm(__)m

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