短篇

□believe
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出逢った時から
 「気づいてたんだ。」
君は『愛しき人』だと。
 「好き」になる 女だと
すぐに解ったよ。
 だって君は
『俺を護る』と心に誓い、
 いつも俺の隣にいてくれた。
いつも俺のそばにいてくれたね?

 『俺を護る』と誓う君は、
俺の隣で 艶やかに微笑む。
  でもひとつ
「気づいていたんだ。」
  その優しく微笑んだ顔を
曇らせる。
  血を流す心と そのわけも。
君が護れなかった大切な人が
  きっと俺に似ていたんだね。


 『君を護る』ために
命を散らした
    「愛しき人」に。



君の心から血が滴り落ちる。
  まるでそれは静寂の刻に
降り続き 止むことのない
 『苦しみの雨』のよう。
だから思うよ。
 君と俺は よく似ているね。
  意地っ張りなところと
素直に「好き」と言えぬ
  ぶっきらぼうなところが。


互いに意識はしていたと
  「気づいてたんだ。」
君は『愛しき人』
  だから大切にしたい。
俺の世界とは
 『違う刻の世界』に
かえれなくなった迷い人。


俺は誓うよ。
 君を泣かせたりなんかしない
『君を護る』よ。



だから泣かないで。
 笑顔でいて。




俺の『愛しき人』


 
 
 
 
 
 

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