壱
□今宵、晴天なり。
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雨上がりの夜空は、とても綺麗で見とれてしまう。
君も...
月明かりに照らされ、いっそう綺麗になっている。
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『忍...』
「竜。どうしたの??そんな顔して。」
竜の顔は、とても切なそうな顔だった。
『いや...なんでもない』
この時から、気づいてやればよかったのに。
人は...何かに頼らなければ生きられない。
きっと政宗は自分で何とかしようと思っていたのだろう。
『忍。』
「??どうしたの??」
『人を好きになるっていうことは...悲しくないのか??』
「...。うん。悲しいよ。・・・でもね、楽しい。俺様だって今、政宗に恋してるもん。」
『・・・。お前が俺に抱いてる思いが好きなら、俺がお前に抱いてる思いも好きなのかな??』
「さぁ??俺様のこと見て...ドキドキする??」
『・・・。よく...わかんねぇ。』
「そっか・・・。」
『ただ...。ただ、俺はお前がいなければ生きていけない。』
「ありがとう。きっとそれが好きなんだよ。」
『ドキドキ...してるかわからないが??』
「俺様は政宗にとって、どんな人??」
『大切・・・な人。』
「俺様も!!」
政宗のおでこにキスをする。
愛してる。
この長い時を...どうか過ぎないでくれと...
俺様は何度も祈った。
俺様と竜は敵同士。
何より、旦那と竜は宿敵同士だから、敵に恋をした俺と竜はバカだった。
そんな俺様と竜は愛し合っていた。
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