壱
□サイゴ。
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(佐助視点)
もうずいぶんとたつ。この時間は早くも遅くもない秒数とともに刻々と過ぎ去っていく。
外を見ると雪がつもり、世界は真白になっていた。
こんな時、きっとアンタなら「さむい」などと言って小十郎に文句でも言ってるのだろう。
くすッ・・・
「久しぶりに竜の旦那にでも会いに行くか。」
早くアイツの顔が見たい。
だってさ、アイツの顔、驚く顔が見たいから。
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(政宗視点)
雪なんてどでもいい...。
雪を見てうかれるガキ共。どうでもいい。
なぜそんなに楽しめる??
気楽な奴等だ。俺の気持ちなんて知りもしないで...。
「政宗様!!体調はいかがですか??」
『よう...。まーまーだ...。』
「そうですか。なにかありましたらすぐにこの小十郎にお言いになってください。」
『小十郎・・・』
「??はい??」
『俺は死ぬのか??』
「・・・っ」
『死ぬのか??』
「・・・。大丈夫ですよ。
なにがあってもあなたは死なせません。」
『HAッ!!ずいぶん言うじゃねぇの。ま、死ぬ気はねぇけど』
死ぬ気ね・・・。あるわけねぇじゃん。
誰が好き好んで死ぬかってんだ。
天下とるまで俺は死ねねぇ。
死んでたまるか。
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