□泣きたいトキには
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「・・・。なにを??」

恐る恐る竜に聞く。
なんせ竜の瞳はさっきより鋭くなっていたから。


『たいした...ことじゃねぇ。』


「・・・」


だんだん、竜が辛そうな目をしてきた。
今にも泣きそうな目を。
















『死のうとおもう』










何かに犯されたのか、頭に妙な動悸が芽生えた。
何を言っていいのか、まったくわからない。
実際のところ、何故死にたいのかすらわからないから...答えようがない。


「・・・。なに言ってんの???ほ、本気じゃないよな??」


『No...本気にきまってんだろ。』


竜の目に涙が小さく光った。

「なんで...死のうと思うの???」

『生きるに...飽きたんだよ』

「・・・。竜...俺様は、、みんなはどーすればいーんだよ!!」


『知ったことか。』

「オイ竜!!!俺様は...俺様はこれから何を生きがいに生きりゃいーんだよ!!」



『忍・・・』


「竜!!オイ!!!竜ってば!!」


『俺はお前の事...好きだったぜ。』


「うん。だから...だから何で死のうとするの??俺様にはわからないよ・・・」


『...あぁ。お前にはわからない。俺の気持ちも...』


「??竜??何言ってんだよ。なぁ??」


『最後に・・・』





ちゅっ....





『じゃあな。忍。また来世で会えたらいいな。今みたいな...関係で。』






ぅっ・・・うは・・・・




けほっ...



「竜ぅー!!!!!!!!」



竜が死ぬ間際、声は聞こえなかったけどうっすらと『好きだよ』って言っていた。





竜は自分の心臓に刀を刺して死んでいった。


「なんで...なんで死ぬんだよ!!意味わかんないよ!!!どうしてだよ・・・竜・・・」


目を閉じて、息をしない竜に何度も問いかけた。
だけどやっぱり返事が来ない。
あぁ。やっぱり...か。


俺は泣いた。泣いて泣いて...








最後にキスをした。





















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