壱
□アネモネ
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赤いアネモネは、
君を愛す。
紫のアネモネは、
貴方を信じてまつ。
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はるか遠くの何処かの丘に、壱輪のアネモネが咲いているだろう。
その色は、赤だったり紫だったり...
政宗、
君には赤がお似合いだ。
「少しずつ暖かくなってきたね」
『あぁ。そろそろ雪もなくなるだろうな』
『そーだね。』
俺様の隣にいる政宗は、団子を食べながら俺様の方を向き、笑った。
もうすぐ春だね。
呟くかのように、心の中で言ってみた。
『春だな』
心で呟いたのが聞こえたのか、政宗が返事をした。
「聞こえた??」
『なにが??』
偶然、話が重なっただけみたいだ。
「いーや!!」
『??そっ。』
こうしていると、なにもかも忘れてしまう。
日輪がさんさんと照っていた。
その日輪が雪にあたり、雪がキラキラと燃えていた。
「政宗、君は何色が好き??」
『色??あー...Blueかな??なんで??』
「君には赤が似合うなって。」
『赤だぁ??赤なんて、テメーんとこの幸村のが似合うだろ!!』
「イヤイヤ、旦那はチューリップ」
『は??チューリップ??だぁ??何の話してんだよ!!』
「花っ!!」
『んじゃ、俺は何なんだよ!!』
「赤のアネモネ...」
『赤なんざ好きじゃねぇ』
「赤のアネモネの花言葉...知ってるかい??」
『Ah??...知らねぇよ。んなもん』
「君を愛す」
だから君には赤が似合う。
紫なら、君を待たなければならない。
君とは一生、俺様の隣にいて欲しいから...
これは俺様なりの...
愛なんだから...
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