過去拍手

□April
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と、いうわけで拍手。
四月は刹那祭り










「・・・」

ここは刹那の僚友の部屋。
ソレスタルビーイングに所属するガンダムマイスターの部屋だ。
用事があって訪ねたのだが、呼んでも返事が返ってこない。
扉に手をかざせばロックはかかっていないようなので簡単に開く。
中は薄暗かった。
薄暗い中で、デスクの上のパソコンだけが明るい。
何かをまとめていたのだろう。
刹那が近づいてパソコンを見ると、書きかけの文書ファイルが開かれていた。
最後の辺りがぐちゃぐちゃになっている。

「おい、風邪を引くぞ」

刹那が用事のあった仲間は、キーボードに突っ伏して寝ていた。
スースー、と小さく寝息を立てて気持ち良さそうに寝ている。
刹那は小さくため息をついてから、彼女のベッドから毛布を持ってきた。
風邪を引かれたら困るし、かと言ってこんな表情を見たら起こすのも気が引ける。
刹那は彼女の肩にそっと毛布をかけた。

「んん」

(しまった、起こしたか?)

「せつなぁ〜」

むにゃむにゃと小さな子供のように刹那の名前を呼ぶと、また寝息を立て始める。
何だコイツは、と刹那は思うが可愛らしいと思う気持ちの方が大きい。
ガンダムに乗っているときの凛々しい彼女の面影はない。
刹那は彼女の前髪をかき分けると、その額に唇を落とした。

「おやすみ・・・」

ちゅっ、と音を立てて刹那の唇が離れる。
そのまま彼は部屋から出ていった。
扉が完全に閉まった音が部屋に静かに響いた後、寝ていた本人は顔を真っ赤にしながら起きた。


(でこちゅーは、反則!!)


実は自分の寝言で既に起きていたのだ。
火照る頬を押さえ、もう一回寝ようと思うが、さすがに無理がある。

「後で毛布のお礼言えばいいや・・・」

そう呟いてから仕事に戻る。
悲惨なことになっている文書を見て、涙目になるのはご愛敬。









うちの刹那はでこちゅー率が高い。
(2011.04.04公開)
 

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