School Of Fate

□腹ペコ王と親友
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「しおん、お昼の時間です!」

「うん!」

しおんの高校では、三限目が終わるとお昼休みに入る。
彼女の教室にやってきたのは、親友のセイバーことアルトリア・ペンドラコン。
この可憐な少女は、「スカートが嫌い」という理由で男子生徒用のスラックスを履いている。
似合っているから、誰も気にしない。
まさかまさかの教師陣でさえ気にしていない。
しおんと、セイバーを狙うギルガメッシュ以外は。

「今日のお弁当も非常に美味しそうです。」

「いっぱい作ってきたから、たくさん食べてね!」

お昼休みの中庭の一角に二人はいた。
他にも、中庭でお弁当を食べている生徒がちらほらといる。
しおんが取り出した重箱に詰めてきたのは、彩り鮮やかなたくさんのおかず。
重箱の内の一段は、俵型のおにぎりが空間を占めていた。
セイバーは自前のマイ箸を持ち、手を合わせて「いただきます」と礼儀正しく食べ始める。

「どうかな?」

「・・・このだし巻き、もしかして三ツ葉が入っていますか?」

「うん。昨日の夕食は茶碗蒸しにしたんだけど、使い切れなかった分を入れてみたの。
見栄えするかなぁって。」

「素晴らしい!とても美味しいです!」

「本当に?良かった!」

「いつもありがとうしおん。貴女のおかげで、私はいつも幸せです。」

きりっとしたセイバーの顔がしおんに近づく。
セイバーの顔はとても綺麗だ。
同じ女同士とは言え、眼前に美しい顔が迫ったら誰だって赤面するだろう。
しおんももれなく、顔が真っ赤になった。

「しおん、顔が赤いですよ?」

「えっと・・・セイバーがかっこよくて緊張しちゃったの。アハハ」

「しおん・・・」

ぎゅっと、セイバーはしおんの手を握る。
小さく、そして柔らかな手だ。
毎日竹刀を振るう自分の手はまめが出来て固くなっている。
しおんはいつも、この愛らしい手で自分のために美味しい昼食を作ってきてくれる。
それがセイバーにとってはたまらなく嬉しいことだった。

「セイバー、」

「これからも、その・・・私のために弁当を作ってはもらえないでしょうか。」

胸が高鳴るのが分かった。
しおんとセイバーの間にキラキラとした何かが飛んでいる。
それは具現化された乙女オーラであり、道行く生徒達にもそれが確認できた。

「よ、喜んで・・・!」

セイバー、本名アルトリア・ペンドラゴン。
女子生徒からのもう一つの彼女の呼称は、“王子様”である。






腹ペコ王と親友
(言峰せんせー、久津見さんが幸せそうな顔で鼻血出しています)



 

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