T&B 2

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『さあ始まりましたHERO TV!
今回の敵は銀行強盗犯です!』


ヘスティアトランスポート所有ヒーロー専用ポーター内にて。
片側が欠けた仮面をセットして出動準備を整えるヒーローが一人。
黒に近い紫のウェアには、彼女をサポートする企業のロゴが賑やかに入っている。
大手玩具会社は華やかに魅せるロゴを、大手電機メーカーはクールなロゴをといった具合だ。
メイクもバッチリ施す。
右目の下には、タトゥーシールを貼り付けた。

「ヒーロー“ブラストソード”、用意はいいか?」

「いつでもいいわよ。」

仕上げに大きなシルクハットを被れば、ヒーロー“ブラストソード”が現れる。
担当メカニックはポーターの扉を開ける。
ブラストソードは、仮面のモニター電源をオンにして手すりに捕まった。
片側だけのモニターにリアルタイムで流れているのは、彼女の能力に関することなどだ。
これは戦いを記録するためのものでもある。

「ブラストソード、行きます!」

「Good Luck!!!」

タイミングを図り、ブラストソードはポーターから飛び出る。
瞬間、彼女が現れたのは数百メートル先のビル。
ネクスト能力を応用した高速移動は彼女のお得意だ。


『まず初めにやって来たのは“踊る要塞”ブラストソード!!』


HERO TVの実況アナウンサーの声にも熱がこもる。
強盗犯は複数だ。
その中にはネクストもいると聞いている。
逃げる車の進行を妨げるように、ブラストソードはハイウェイに降り立った。
ブラストソードは頭のシルクハットを取ると、その中をごそごそと漁る。
にやりと不敵な笑みを浮かべ、取り出したのはガトリング銃だった。
しかも大きさがおかしいくらいにでかい。

「やべえ、ブラストソードだ!」

「悪いけど、捕まってもらうわよ!」

ガガガガッとブラストソードはガトリング銃を撃ちまくる。
タイヤをパンクさせ、車はそのままハイウェイの壁に激突した。

「また君に先を越されてしまったよ。」

「ふふ、一歩遅かったねスカイハイ。」

『ここで登場したのはスカイハイ!
スカイハイとブラストソード、今夜の犯人を捕まえるのはどちらだあ!?』

「「私だ!」」

スカイハイとブラストソードは、それぞれ左右に飛ぶ。
フロントがめちゃめちゃになった車からは、強盗犯グループが一斉に出てきた。
さっきまで二人がいた場所は爆発し、舗装が溶けている。

「君は左、私は右だ。」

「オーケィ!」

能力を使い、散り散りになった犯人を追う。
ダンッと、犯人たちの真上に跳躍した。
ブラストソード、彼女の瞳は仮面とカラーコンタクトレンズの下で青く光っている。
バンッと手を叩くと、彼女の周りに銃が大量に現れた。

『ブラストソード、今夜も魅せてくれるようです!』

「っざけんな!」

「遅い!」

銃を一つ掴み、英は犯人に向かって撃つ。
マスケット銃に似ているその銃たちを巧みに持ち変えて、ブラストソードは犯人を圧倒した。
一発撃ち、銃を棍棒のように使って犯人を倒していく。
それはまるで踊っているかのようだった。

『ブラストソードに400ポイント入ります!』
 

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